割れたガラス戸の修理・交換!費用相場や安く抑える方法、DIYができるかなど

ガラス戸の修理・交換について

割れたガラス戸の修理について

「ガラス戸」とは、ガラスがはめ込まれたドアや扉のことを指しています。

ガラス戸と聞くと、扉を横にスライドして開閉する引き戸を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、玄関やリビングの開き戸、店舗の自動ドアなどもガラス戸の一種です。

もし、ガラス戸に使用されているガラスが割れたりヒビが入ったりしてしまった場合は、安全のため早急に修理を行う必要がありますが、修理にかかる費用がいくらになるか、自分で修理ができるのか、保険が使えるのかなど、いくつか気になる点があるのではないでしょうか。

このページではガラス戸の修理について、費用の相場や金額の内訳、修理方法や保険が適用される条件などについて詳しく解説いたします。

ガラス戸の修理交換にかかる費用の目安

ガラス戸が割れた!修理・交換にかかる費用の目安は?

ガラス戸のガラスが割れた・ヒビが入ってしまった際には修理が必要となりますが、特に気になるのは修理にかかる費用ではないでしょうか。

ガラス戸修理をガラス屋に依頼した場合の費用は、透明板ガラス(フロートガラス)や型板ガラスなどの一般的なガラスの場合は約20,000円から約60,000円程度で、複層ガラス(ペアガラス)や強化ガラスや防犯ガラスといった機能性ガラスの場合は約38,000円から約75,000円程度がおおよその目安となります。

ですが、ガラスの修理費用は交換するガラスのサイズや種類、作業内容ほか様々な要因によって変動するため一概には言えません。

特に機能性ガラスはバリエーションが多種多様で、複層ガラス(ペアガラス)は部材に強化ガラスや防音ガラスなどを組み合わせることができる、防犯ガラスはガラスの厚みだけでなく中間膜の種類や厚さも数パターンから選べるなど選定項目が多く、スペックが高くなるに比例して値段も上がります。

ガラス戸の修理費用の内訳

ガラスの修理費用の内訳は、「ガラス代、作業費用、割れたガラスの処分費、部品代金、出張費」の5つの項目が基本となっています。

一般的に、見積もりはこの基本の項目に当てはまる金額を合計して提示され、工事終了後に実際に支払う料金となります。

注意しておきたいのは、内訳の内容はガラス屋によって表記が異なる場合があるという点です。

例を挙げると、「基本料金」という項目の中に作業費や出張料や処分費が含まれている、「作業料金」に工事費や運搬費がまとめられていることがあります。

また、稀にですが工事の終了後に追加料金が上乗せされトラブルに発展するといったケースがあるようです。

そのため、内訳の内容を把握しておくことは重要であり、見積もりの内容に分からない項目があったらその都度業者に確認をとる、作業終了後に追加料金が発生しないか確認をとることでトラブルの予防ができると言えるでしょう。

ガラス戸の修理費用は現地調査が必要

ガラス戸修理の費用は現場調査での見積が必要

上記でも少し触れましたが、ガラスの本体代金は種類やサイズなどによって大きく変わり、工事作業費や部品代も現場状況や作業内容によって変動するため、ガラスの修理費用は明確には決まっておらず案件ごとに変わります。

一般的なガラスの修理は特殊作業が発生するケースは少なく作業員も通常は1名のため金額は変動しにくい傾向にありますが、大きなサイズのガラスや機能性ガラスほか特殊製品の場合は、運搬にかかる費用や作業員の追加などによって料金が加算される場合もございます。

そのためガラス戸に関わらず、割れたガラスの修理にかかる費用の詳細を知るには、専門業者による入念な現地調査が必要です。

ただし、ガラス屋によっては電話やメールでの問い合わせによって簡易的な見積もり料金を提示するサービスを行っている場合があります。

電話またはメールでガラス戸の修理料金を問い合わせる際は、ガラスのサイズ、厚さ、種類、現場の状況などの情報をできるだけ詳しくガラス屋に伝えることで、より詳細な金額を出すことができます。

いきなり家に業者が来るのは不安を感じる・まずは概算の料金を把握しておきたいなどの場合は、電話またはメールでの簡易見積りに対応しているガラス修理業者に連絡してみることをおすすめします。

ガラス戸の修理費用を左右する要因について

ガラス戸修理の費用内訳、金額を左右する要因は?

ガラス戸の修理にかかる費用内訳の中で、もっとも金額に影響があるのは「ガラスの本体代金」です。

ガラスの本体代金は、ガラスの種類、サイズ、厚さなどによって大きく変わります。

ここでは、ガラス戸に使用されるガラスについての解説と、修理交換にかかる参考費用を詳しくご紹介いたします。

扉に使用されているガラスの種類が、もっとも金額に影響

ガラスの種類がガラス戸の修理費にもっとも影響

玄関扉などのガラス戸に使用されるガラスは、以前は1枚板ガラスが主流でした。

1枚ガラスは透明板ガラス(フロートガラス)や網入りガラス、模様の入った型板ガラスなどがございます。

1枚ガラスは流通量が多く、現場での採寸・切り出し・簡単な加工処理を行うことができます。

そのためガラスが割れたりヒビが入ったりした際の修理交換に素早く対応することが可能で価格も安いというメリットがありますが、断熱性能が非常に低く室内の温度が外気温に影響されやすいというデメリットがあります。

1枚ガラスが使用されたガラス戸や窓があると暖房をつけても部屋が暖まりにくく光熱費が高くなり、結露も発生しやすいのです。

また、1枚ガラスは衝撃に弱く簡単に破壊することができるため、防犯性能は期待できません。

そのため、近年では断熱性が高い複層ガラス(ペアガラス)や、耐貫通性を持ち破壊が困難な防犯ガラスといった機能性ガラスをガラス戸に採用するケースが増加しているのです。

機能性ガラスは種類ごとに様々な効果を持っており、暮らしの快適さや安全性を高めることができますが、構造上完成品の加工ができず、受注を受けてから工場で製造・切り出し加工を行う製品がほとんどとなります。

通常の1枚ガラスに比べると割れ替え修理の対応に時間がかかり、交換費用が高額になりやすい点には注意が必要です。

透明板ガラス(フロートガラス)

フロートガラス

ガラス戸に透明な板ガラスが使用されていた場合の交換費用は、一般的な玄関扉に用いられるガラスのサイズ横900mm×縦1,800mmで、約18,000円から約23,000円が大体の目安となります。

透明ガラスは最も流通量が多いガラスで、価格も安いです。窓や扉ほか家具などにも幅広く用いられており、特に厚さ4mmから6mmの透明ガラスは住宅用としてよく使用されています。

微量の酸化鉄が含まれていることから、よく見るとやや緑がかって見えます。

現場での切り出し加工が簡単にできること、ガラス修理業者なら基本的に常時在庫を用意していることから、割れた際の修理交換に素早く対応することができます。

耐衝撃性が低く簡単に割ることができるので防犯性には優れない、開放感はあるが結露や水垢など汚れが目立ちやすいなどの理由から、開口部のガラス戸に透明ガラスが用いられている場合は割れ替え時に防犯ガラスや型板ガラスなどに変更される方もおられます。

網入りガラス

網入りガラス

網入りガラスの修理費用は、横900mm×縦1,800mmサイズのガラスが使われたガラス戸を想定した場合で、約32,000円から約60,000円となります。

網入りガラスはガラスの中に金属のワイヤーが封入されており、ガラスが割れた際に破片の落下を防止する効果があります。

火災時に延焼範囲の拡大を防いだり燃え広がりを遅らせたりする効果があることから、防火設備として利用することができます。

特にマンションやアパートなど集合住宅の窓には網入りガラスが使われていることが多く、戸建て住宅の場合は勝手口などでよく使用されています。

透明ガラスまたは型板ガラスにワイヤーが入った厚さ6.8mmの網入りガラスが主流の製品です。

ワイヤーの配置は3種類で、斜めのひし形にワイヤーが配置されているヒシワイヤー、縦横の格子状にワイヤーが配置されているクロスワイヤー、縦線のみが入っているプロテックスがございます。

開口部のガラス戸に防火設備として網入りガラスを使用する場合は、ヒシワイヤータイプ、またはクロスワイヤータイプを使用します。

プロテックスタイプは防火設備に認定されていないものの通常のガラスと比較して割れた時に飛散しにくいため、防煙垂れ壁として飛散抑止を目的に設置されます。

網入りガラスに使用されるガラスは2種類で、「磨(みがき)」と「霞(かすみ)」があります。

磨(みがき)は、表面がツルツルした透明のガラスのため視界がクリアで、製造時にガラスの表面を磨く工程が必要となるため霞(かすみ)に比べると値段が高いです。

霞(かすみ)は、ガラスの表面に凹凸模様が入ってたいわゆる型板ガラスで、ガラスと通して物を見た時に輪郭がぼやけて見えるため、プライバシーの保護に向いています。

網入りガラスはワイヤーが入っているので防犯性能が高いと思われることが多いですが、通常のフロートガラスと強度は変わらないため割るのは容易で、ワイヤー自体もハサミやニッパーなどで簡単に切断することが可能、加えてガラスを割った時に破壊音をワイヤーが吸収して目立ちにくくなるため、防犯目的での使用には向いていません。

また、ワイヤーは黒色のため熱を吸収しやすく網無しのガラスと比較して「熱割れ」を起こす可能性が高い、鉄製のワイヤーが水分と結合して酸化鉄になると体積が増えてしまいガラスを圧迫してヒビ割れが生じる「錆割れ」という現象を起こす可能性があるなど、自然破損のリスクがある点にも注意が必要です。

型板ガラス

型板ガラス

型板ガラスが使われているガラス戸の修理費用は、横900mm×縦1,200mmサイズ、厚さ4mmのガラス交換を行う場合で約20,000円から約25,000円がおおよその相場となります。

型板ガラスは、ロールアウト製法によってガラスの片面全体に凸凹の型模様がつけられているガラスです。

ガラスに凹凸があることによって視線を遮る効果がありますが、可視光の透過率はフロートガラスと同程度となりますので採光性は損わず、光は凹凸に反射することでやわらかく広がります。

外の明るさを十分に取り入れながらも目隠しが必要となる場所への設置に向いており、一般住宅では玄関ドアや浴室扉やリビングドアといったガラス戸のほか、人通りが多い道や隣家側にある窓、トイレの小窓ほか様々な場所に使われています。

型板ガラスにはいくつかのデザインがあり、定番シリーズとなるのが「霞(かすみ)」と「梨地(なしじ)」の2種類です。

霞(かすみ)模様の型板ガラスは、ガラス表面の凹凸が少なく粗めとなっており、厚さは4mmと6mmと、網入りの場合は6.8mmの3種類がございます。

建具によく使用されているのは霞タイプであり、価格が安いという特徴があります。

また、透明フロートガラスと同程度に流通していることからガラス修理業者なら基本的に在庫を用意しており、割れ・ヒビなどの修理対応は比較的早いと言えるでしょう。

梨地(なしじ)は、霞と比べると凹凸模様のきめが細かく、視界を遮る効果が高いという特徴があります。

型が付けられている側のガラス表面の手触りは、果物の梨のようにザラザラとしています。

ガラスの厚さは2mmのみとなっており、薄く強度が低いことから開口部に設置されている窓やガラス戸への使用には向いていません。

そのため、一般的にはパーテーションや食器棚、ガラス障子など室内用のガラスとして使用されています。

注意点として、梨地の型板ガラスは2021年より廃盤となっているため入手が困難で、割れた場合は厚さ2mmの透明ガラスやすりガラス、または梨地模様の樹脂製ガラスなどを代替品として使用し、修理を行います。

なお、同じ目隠し効果のあるガラスには「すりガラス」と「くもりガラス」があり混同されやすいのですが、型板ガラスとは別の種類となります。

すりガラス・くもりガラス

すりガラス

すりガラス・くもりガラスが使用されているガラス戸の修理費用の相場は、約23,000円から約35,000円ほどとなります。

上記の価格はガラス全体にすりガラス加工が施されている基本製品の場合ですので、その他のデザイン・模様が入る場合はガラスの本体価格が高くなりますのでご注意ください。

すりガラス・くもりガラスは、透明なフロートガラスの片面に微細な傷をつけてツヤを消すサンドブラスト加工という製法によって作られています。

金剛砂と呼ばれる粉末状の鉱物や金属製のブラシを用いてガラスの表面を研磨することで細かい凹凸がつき、加工されたガラス面の手触りはザラザラとします。

強い乳白色をしているため視界を遮り目隠しとしての効果が高いものの、光の透過率は透明フロートガラスと変わりません。

細かい凹凸は日光を反射するため、透明フロートガラスに比べるとやわらかくぼやけた光が拡散される印象にはなります。

通常はガラス全体に研磨加工が施されていますが、加工部分を限定することで模様をつけることができるため、デザイン性に優れたおしゃれなすりガラスもございます。

例として、ガラス戸では障子に「ぼかし山水ガラス」が用いられることがあり、サンドブラスト工法によって風景などの絵柄やグラデーションがつけられた趣のあるガラスは和式の建物によく合うことから人気が高く、和室・仏間・旅館のなどのガラス戸に採用されることが多いです。

すりガラスは凹凸のある面が水で濡れた時にガラスが透けて見えてしまう、凹凸が非常に細かいため汚れが付着しやすく掃除がしにくいなどのデメリットがあるため、キッチンやお風呂など汚れが付きやすい場所に設置されたガラス戸には不向きと言えるでしょう。

デザインが無く全体に凹凸加工が施されているすりガラス・くもりガラスであれば、一般のガラス修理業者の大半なら一定数の在庫を確保していることが多く、割れた・ヒビが入った際の修理対応は早い部類となります。

強化ガラス

強化ガラス

強化ガラスのガラス戸の修理費用は、横900mm×縦1,800mmサイズのガラス交換なら本体価格は約30,000円から約80,000円プラス作業費となります。

ドアそのものが強化ガラスで出来ている「テンパードア」の場合は、ガラス戸自体の価格が約150,000円以上の製品がほとんどで、サイズが大きく厚みがあるものやフレーム・バーハンドルの種類によっては500,000円以上する製品もございます。

強化ガラスは透明フロートガラスと比較して約3.5~5倍以上の強度を持っているため通常よりも割れにくいという特徴があります。

別名で「安全ガラス」とも呼ばれており、一般的なガラスは衝撃を受けて割れたときに破片が刃物のように鋭利な状態となりますが、強化ガラスの場合は割れてしまっても破片が粒状となって砕け落ちるため、ケガを負うリスクが低く安全性に優れているのです。

そのため、人通りの多い路面店や公共施設のショーウインドウ、店舗や病院の入り口に設置されたガラス戸のほか、オフィスのパーテーションやディスプレイ用の棚、ガラステーブルの天板などにも使用されています。

種類もいくつかあり、通常の透明タイプの強化フロートガラス、ガラス特有の緑や青みが抑えられ無色透明に近い強化高透過ガラス、薄い乳白色でやわらかに光を通すことができる強化フロストガラス、ガラスに微量の金属で着色することで日射熱や紫外線を通しにくくする効果のある強化熱線反射ガラスなどがございます。

強化ガラスはフロートガラスを強化炉で高温に熱してから空気を吹き付けて急速に冷却することで製造されており、熱処理と冷却処理を行うことによってガラスの表面には圧縮応力層が、ガラスの内部には引張応力層が形成されます。

通常は縮まる力と引っ張る力がうまくバランスをとることで強化ガラスとしての形状が保たれていますが、何かのきっかけでバランスが崩れてしまうとガラスが突然割れて粉々になってしまうことがあります。

圧縮応力層に該当するガラス表面全体の約6分の1を超えるような傷がガラスに入った場合はもちろん、長期間の使用により微細な傷が内部まで進行した際には前兆がなく突如として爆発するようにガラスが割れ砕けることがあるのです。

そのため、強化ガラスは加熱冷却処理を行った後に切り出すことができないため、基本的にすべて受注生産となります。

メーカー受注後から約2週間から1か月程度の納期がかかりますので、割れた際の修理対応には時間がかかるという点に注意が必要です。

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラス

複層ガラス(ペアガラス)を使用したガラス戸の修理費用は、横900mm×縦1,800mmサイズで約38,000円から約75,000円が目安ですが、種類によってガラス本体の価格が大きく変動します。

複層ガラスは単板ガラスと比較して断熱性・遮熱性が高く、結露やコールドドラフト現象を抑制する効果があります。

室内の温度は外の寒さや暑さ、日射熱などの影響によって変化しますが、開口部に設置された窓やガラス戸は外壁に比べて厚みがなく開閉をスムーズに行うためにわずかな隙間が設けられているため、住宅の中でも特に外気温の影響を受けやすい設備です。

複層ガラスが開口部に設置されていると、室内外の熱移動が起きにくくなり日射熱をカットする効果も得られることから、室温の変化が起こりにくくなります。

ガラス戸や窓の断熱性・遮熱性がアップすると、冷房や暖房の効きがよく快適な温度を長く保つことができますので、空調にかかる光熱費をカットできる・二酸化炭素の排出量を大きく削減できるなどのメリットがあります。

国や自治体は住宅の省エネ化を支援していることから、近年の新築住宅では複層ガラスが標準設備として採用されることがほとんどとなり、新築住宅だけでなく中古物件においても補助金制度が利用できるなど導入しやすくなっています。

標準の複層ガラスは、2枚のガラスを組み立てて1つのガラスとして扱います。

構造は魔法瓶をイメージするとわかりやすく、2枚のガラスの間には約6mm幅の空間(中空層)が設けられており、ガラスの距離を適切に保ち空気の層を確保するためのスペーサーと呼ばれる金属部材が挟まれています。

ガラスの間に空間があると、対流による空気の移動を抑止する効果が得られ、中空層の幅は大きいほど断熱効果がアップします。

中空層内は乾燥空気やアルゴンガスやクリプトンガスなどが封入されているか、空気を抜いた真空状態となっていて、種類によって断熱や遮熱効果に差があります。

また、複層ガラスにLow-E金属膜がコーティングされている製品は「エコガラス」と呼ばれ、紫外線カットや遠赤外線の反射、放射による熱の移動を抑止することができます。

コーティングはガラスの内側、中空層側の片面のみに施されますが、コーティングが室内側の場合は寒冷地や冷えやすいお部屋向けの断熱タイプ、室外側のガラスにコーティングされている場合は日当たりが強すぎるなど室温が上昇しやすいお部屋向けの遮熱タイプとなります。

複層ガラスは構造上、組み立てやガスの封入、真空加工などを工場で行う必要があり、現場での切り出しはできません。

受注生産品ですので、1週間から2週間ほど納期が発生します。

防犯ガラス

防犯ガラス

ガラス戸に使われている防犯ガラスが割れた場合、横900mm×縦1,800mmのサイズであれば、約45,000円から約70,000円が大体の修理費用の目安となります。

防犯ガラスは、2枚のガラスの間に中間膜を挟み込んで加熱・圧着加工を施した機能性ガラスです。

加熱・加圧処理の時点で中間膜は透明になるため、一般的な透明フロートガラスと比べて採光性や視界のクリアさは変わりません。

中間膜は柔軟な性質でガラスや金属への接着力が強く、ガラスが割れた際には破片が中間膜にくっつきますので、もしガラス戸や窓が破損しても防犯ガラスだった場合は飛散した破片による怪我を防止する効果・ガラスに穴が開くことを防いで犯罪者の侵入を防ぐ効果が期待できます。

防犯ガラスの中間膜には一般的にPVB(ポリビニルブチラール)と呼ばれる樹脂膜が使用されており、厚さはmil(ミル)という単位で表されます。

中間膜は、15mil(0.38mm)、30mil(0.76mm)、60mil(1.52mm)、90mil(2.28mm)の4種類があり、厚みがあるほど耐貫通性が高くなります。

特に60mil(1.52mm)以上の厚みがある中間膜が使われている合わせガラスは「防災安全合わせガラス」と呼ばれ、ガラスを割って侵入しようとする犯罪者に対する防犯性能、台風や地震など災害時に破片による怪我の二次被害防止性能といった効果が高いことから、防犯・防災目的で窓やガラス戸に設置するのに推奨されています。

一般住宅の開口部では、窓に次いで空き巣などの犯罪者が侵入経路に選びやすい玄関のガラス戸において、防犯ガラスが使用されていることが多いです。

また、複層ガラス(ペアガラス)に防犯ガラスを使うことも可能となっていますので、窓やガラス戸の防犯性を高めつつ住宅そのものの断熱効果をアップしたい場合におすすめとなります。

ハイグレードタイプの防犯ガラスでは中間膜にポリカーボネート板が使用されており、強い打撃や電動工具による攻撃にも強く抵抗できます。

樹脂膜90mil(2.28mm)、またはポリカーボネート板仕様の防犯ガラスは通常よりも厚みがありますので、一般住宅への設置が難しく、店舗や事務所などへの設置が主流です。

防犯ガラスは中間膜の圧着加工処理を工場で行う必要があります。

受注してから製造するため納期が発生し、発注後は約1週間から2週間で納品となります。

ガラス戸に使われているガラスのサイズ

ガラスはサイズ・大きさによって値段が異なります。基本的には、ガラスのサイズが小さいほうが価格や作業費が安く、サイズが大きいほど値段が高くなります。

ガラス戸は多種多様なデザインがあり、20cm程度の小さなガラスがいくつも枠にはめ込まれている場合や、人の身長程度の大きなガラスが使われていることもあります。

また、扉そのものがガラスで出来ているフレームレスタイプの場合もあるでしょう。このように、ガラス修理と一言でいっても状況は現場によって全く異なりますので、金額も現場によって変わるのです。

ガラスのサイズは費用に大きく影響する要素ですので、ガラス屋に依頼する際はガラス戸に使用されているガラスの種類だけでなく大きさもスタッフに伝えるようにしましょう。

可能であればガラスのサイズをメジャーなどで測っておくと、より詳細な情報が得られるため、詳しい費用を判断する材料として有効です。

ただし、割れたガラスの破片が飛散している場所でサイズを測るのは危険ですので、難しい場合はプロのガラス修理業者に早めに連絡することをおすすめします。

ガラスの種類にもよりますが、一般的な単板ガラスであれば現場で必要なサイズで切り出すことができますので、最短で当日中に破片の処理から修理作業まですべて完了することができます。

ガラス戸に使われているガラスの厚さ

ガラスの値段はガラスの厚みでも変わる

ガラスの本体価格は、ガラスの厚さによっても変動します。

基本的には薄いほど値段が安く、厚みがあるほど高額となります。

室内に設置されている引き戸やリビング扉などのガラス戸には、厚さが2~4mmの単板ガラスが使用されていることが一般的であり、価格は比較的安いと言えるでしょう。

玄関扉や勝手口など開口部に設置されているガラス戸、浴室やトイレのガラス戸の単板ガラスでは4mmが主流です。

もし、ガラス戸に使用されているガラスが機能性ガラスであれば、さらに値段が高くなります。

例として、防犯性や安全性を高める目的からガラス戸に防犯合わせガラスが使用されている、家の断熱性アップや結露防止を目的に複層ガラス(ペアガラス)が使われている場合、どちらも2枚のガラスを組み合わせて1つのガラスとして扱うため通常の単板ガラスよりもガラス自体の値段が高く、作業費も上がります。

また、マンションやアパートほか集合住宅では防火設備として網入りガラスが使用されていますが、厚さは6.8mmと10mmの2種類があり、10mmタイプの方が値段は高くなります。

店舗用では5mm以上のガラスが使用されることが多く、出入口用のガラス戸では厚さ10mmの強化ガラスが使用されることもあります。

ドア全体がガラス製・テンパードアの場合

扉全体がガラスで出来ているテンパードアの場合は、ドア枠のあるガラス戸の修理に比べると料金が高くなります。

全体がガラスで出来ている扉は空間を広く見せ開放感を演出できる効果があり、商業施設や店舗の入り口、オフィスや病院のドア、住宅のお風呂用ドアや室内用ガラス戸ほか様々な場所で使用されています。

このタイプの扉は単純にサイズが大きいだけでなく、安全性を考慮して強度が高く割れにくい強化ガラスが一般的に使われていることから透明フロートガラスや型板ガラスといった基本のガラスと比較すると費用が高額です。

加えて、開閉のためのハンドル・引手の取り付け加工処理を行う、ガラス戸の角にカギが付いたタイプを選定する、ガラスに切り込みを入れて指はさみ防止加工をするなど、オプション内容に合わせて追加で料金がかかる点にも注意が必要です。

ガラス戸の修理費用を安く抑えるには

割れたガラス戸修理費用を安くする方法

ガラス修理にかかる費用は決して安いとは言えず、種類・厚さ・サイズ・設置場所の状況などによっては高額となるケースもございます。

特に、近年では一般家庭において広く普及している複層ガラス(ペアガラス)や合わせガラスは2~3枚のガラスを使用しているため、通常の単板ガラスに比べると修理費用が高額です。

割れたまま放っておくことはできないため修理交換は必要ですが、急に大きな出費が発生するため、できるだけ価格を抑えたいですよね。

割れてしまったガラス戸の修理費用は、ガラスの破損理由や条件によっては安く抑えることができる可能性があります。

以下で、ガラス戸の修理費用を安く抑える方法、条件などを詳しくご紹介いたします。

割れたガラス戸の修理交換には保険が適用される?

ガラスが割れてしまった・ヒビが入ってしまった際にかかる修理・交換費用は、ご加入中の保険でカバーできる場合がございます。

マイホームを購入するタイミングで加入することの多い火災保険の多くには、破損したガラスの修理費用を補償する特約が用意されており、ガラス戸も大抵は補償範囲内に含まれているため必要に応じて利用することができるでしょう。

ただし、保険金がおりるかはガラス戸の破損原因によって変わります。

また、保険会社が設定している保険の内容・補償範囲内にガラス戸が含まれていない場合も補償を受けることはできません。

以下で、ガラス戸の修理費用が保険で補償されるケースとされないケースをご紹介します。

自然災害が原因でガラス戸が割れた場合

ガラス戸の破損原因が自然災害による被害だった場合は、火災保険の補償範囲内となるケースがほとんどです。

風災・落雷・水害・雹・火災などが原因でガラス戸が割れた場合、ガラスの修理費用は保険でカバーすることができるでしょう。

具体的な例を挙げると、台風で飛んできたものがガラス戸にぶつかった、火災で爆発が起きて衝撃でガラス戸が割れた、落雷の衝撃でガラスが破損した場合などが対象となります。

また、野鳥がガラス戸に衝突した、雹(ひょう)や霰(あられ)がガラス戸に当たったことが原因でガラスが割れた場合も補償対象内となります。

空き巣・悪戯でガラス戸を割られてしまった場合

空き巣や居抜きなど窃盗被害に遭った際にガラスを破られた、悪戯でガラス戸を割られたなどガラスの破損原因が犯罪被害によるものだった場合も、火災保険で補償されるケースがほとんどです。

実際に火災保険が適用された具体例には、泥棒や強盗がガラス戸を割って鍵を開けた、不審者がガラス戸に石を投げて破壊した、子どもが玩具をガラス戸にぶつけてヒビが入ったなどの事例があります。

他者の迷惑行為や犯罪被害によって割られた・ヒビが入ってしまったガラス戸の修理費用を保険会社に保険金を請求する場合は、被害届を警察に提出した際に発行される「盗難届出証明書」や「届出受理番号」が必要となります。

事前に用意しておくことで、保険会社への問い合わせ・保険金請求の手続きをスムーズに進めることができるでしょう。

地震によってガラス戸が割れてしまった場合

火災保険は上記で例としてご紹介した自然災害の内容を幅広くカバーすることができますが、地震の影響によってガラス戸のガラスが割れてしまった場合は、通常補償の範囲に含まれていない点に注意しなければなりません。

地震の被害でガラス戸の修理費用を補填したいのであれば、地震保険に加入するか、地震保険を付帯している火災保険に入る必要があります。

ただし、地震保険に加入していたとしても保険会社が設定している補償対象に開口部のガラスが含まれていない場合では、ガラス戸修理の保険金が支払われません。

保険の商品内容は保険会社によって差がありますので、加入されている地震保険の補償範囲に開口部のガラスが含まれているか確認し、万が一に備えて内容を把握しておきましょう。

故意にガラスを割ってしまった場合

故意にガラス戸を破壊した場合は、保険の補償範囲外となるため保険金は支払われません。

わざとガラス戸に物を投げて割った、イライラしてガラス戸を蹴ってしまいガラスが割れてしまったなどのケースでは、ガラス戸の修理費用は自己負担となるでしょう。

ただし、故意ではなく「うっかり」・「不注意」など突発的かつ予測不能な出来事によってガラス戸を破損させてしまった場合は、火災保険で修理費用が補填される可能性があります。

一例として、めまいや立ち眩みでガラス戸に向かって倒れた、大掃除中で家具を移動させている最中にガラス戸にぶつけてしまった、小さい子どもが玄関の椅子や鏡を倒してガラス戸が破損したなどのケースにおいては「不測かつ突発的な事故」として扱われることが多く、修理費用は保険金でカバーできる可能性が高いです。

ちなみに、小さな子どもだけではなく大人であっても、予測不可能・意図しない事故が原因となってガラス戸が割れてしまった場合なら、補償を受けることができます。

相見積もりを取って金額を比較する

ガラス戸の修理費用を安く抑えるためには、複数のガラス修理業者から相見積もりを取り比較することも重要なポイントです。

上記でガラス戸の修理にかかる価格をおおまかに紹介しましたが、ガラスの仕入れにかかる金額や人件費の単価などは業者によって異なるため、実際の金額設定は業者ごとに変わります。

理想としては確実な金額を知ることができる現場調査による見積もりの取得ですが、ガラス屋を何社も呼ぶのは修理が遅れるため現実的ではありません。

電話やメールでの見積もりに対応しているガラス修理業者であれば、ガラス戸に使用されているガラスの種類、おおまかなサイズや厚さなどを伝えることで、実際の金額に近い料金で見積もりを出してくれるでしょう。

また、相見積もりを取って金額を比較することは大切ですが、業者の質の見極めも重要です。

適正価格を超えた価格、いわゆるぼったくり被害に合わないように警戒することも必要ですが、ただ単に安いというだけでガラス屋を決めてしまうのは少々危険です。

低価格が売りのガラス屋は効率やスピードを重視して現場作業を進めることが多く、専門的な知識が足りない・技術が不足している・サービスの質が低い・アフターフォローが受けられない業者にあたる可能性がございます。

そのため、見積もりを取る際には、金額だけでなく対応面も比較することをおすすめいたします。

賃貸住宅のガラス戸修理の費用負担は誰?

賃貸のガラス戸修理の費用負担は誰?

ガラス戸に使用されているガラスが割れた・ヒビが入った際、修理にかかる費用を誰が負担するのかは、ガラスの破損理由によって変わります。

ここでは、賃貸住宅の貸主と借主、どちらがガラス戸の修理費用を負担するかについて、具体例を交えて解説いたします。

貸主がガラス戸の修理費を負担するケース

マンションやアパートといった賃貸住宅では、備え付けの設備の所有者は借主ではなく貸主です。

備え付けの設備にはトイレやお風呂や給湯器、蛇口や窓などが当てはまりますが、ガラス戸も例外ではありません。

そのため、ガラス戸が割れた原因が借主に無いのであれば、修理費用の発生義務は貸主に生じるのです。

経年劣化や災害、自然現象、空き巣や強盗などによる犯罪被害、不審者によるイタズラ行為によって賃貸住宅のガラス戸が割れたのであれば、入居者に落ち度がないため、修理費用は貸主負担となります。

よくあるケースとしては、賃貸の集合住宅ではベランダに出入りするためのガラス戸や窓といった開口部の防火設備に網入りガラスが用いられることが多いのですが、網入りガラスは構造上、「熱割れ」や「錆割れ」といった自然破損現象を起こすリスクが高く、熱割れや錆割れがガラス戸の破損原因なら貸主が修理費用を負担しなければなりません。

そのほか、強風や竜巻で飛ばされた物が衝突した、倒木や雹による被害などが原因によるガラス戸の破損なども当てはまります。

ただし、入居者の自己判断によって現在使用されていた種類と異なるガラスに取り換えた場合や、自分で修理しようとして破損範囲が拡大・悪化した場合などにおいては、修理費用の負担が借主となる場合もございます。

不要なトラブルを避けるためにも、ガラス戸が割れてしまった時は、まず管理会社や管理組合、オーナー様に連絡をとることをおすすめします。

借主がガラス戸の修理費を負担するケース

借主・入居者にガラス戸の修理費用の負担義務が生じるケースは、主に「入居者による過失、または故意にガラスを破損させた」場合となります。

具体的な例としては、ガラス戸を閉める際に強く蹴ってしまいガラス戸が割れた、大掃除や退去準備の際に家具をぶつけてヒビが入ってしまったなどが該当します。

こういったケースでは、入居者本人でなくとも友人や恋人などがガラス戸を破損させた場合も同様に、借主に支払い義務が生じます。

また、自然破損が原因でガラス戸が割れると通常は修理費用の負担義務は貸主となりますが、台風が近づいており強風や竜巻などが予想できたのにベランダ植木鉢や物干し竿を置きっぱなしにしてしまい、落下してガラス戸にぶつかって割れた場合は、借主の過失と判断されて修理費用を請求されることもあるので注意が必要です。

ここで抑えておきたいポイントは、借主の過失でガラス戸の修理費用を負担することになった場合、保険の利用ができる可能性があるという点です。

個人的にガラス戸の破損が補償対象となっている損害賠償保険・火災保険に加入しており、なおかつガラス戸の破損理由が予測することができない突発的な事故だった場合、保険金によって修理費用をカバーできる可能性がございます。

保険が適用されるかは加入している保険・補償内容、条件によって違いがありますので、まずは保険会社に問い合わせて確認されることをおすすめいたします。

割れたガラス戸の修理方法

ガラス戸の修理方法

ガラス戸の修理方法は、大きく分けると業者に依頼するかご自身で直すかの2択となります。

以下で、ガラス戸の修理をガラス屋に依頼した場合と、ご自身でDIYによって直す場合、それぞれのケースについてメリットやデメリット、修理の流れなどについて解説いたします。

ガラス屋に修理を依頼する

まず、ガラス戸修理をガラス屋に依頼するケースについての解説を行います。

ガラス屋を利用するメリットは、破片の片付けから工事完了まですべて任せることができる、対応が早い、自分で修理するより安全、アフターサービスを受けることができるなどが挙げられます。

一般的な透明フロートガラスや型板ガラスや網入りガラスといった単板ガラスであれば、基本的に自社の倉庫に常備していること、現場で必要な大きさに切り出すことができるため、早ければ連絡したその日のうちに修理工事を終わらせることが可能です。

また、防犯ガラスや複層ガラス、強化ガラスといった機能性ガラスでは、受注生産のため納期に日数がかかりますが、本工事までの期間を安全に過ごせるように破片の掃除、補修・仮工事などにも対応することが多いです。

デメリットはDIYに比べると修理費用が高くなるという点にあります。

ガラス屋にガラス戸修理を依頼する場合の流れ

割れたガラス戸の修理を業者に依頼すると、以下のような流れとなります。

①電話、またはメール、チャットサービスなどで問い合わせる

②見積もりを取り、問題が無ければ工事の日時を予約する

③現地にスタッフが訪問、ガラスのサイズや厚さを計測し、最終見積りを作成する

④見積もり内容・作業内容の説明に同意できれば、修理作業を開始する

⑤作業完了後、立ち合いを行い工事に不備が無いか確認する

⑥料金の支払いを行う

なお、機能性ガラスの場合は、種類によりますが1週間から半月程度の納期が発生します。

その際は現地見積もりでご成約の際に、破片の回収及び処分、補修や仮工事を行い、ガラスが納品されましたらご都合に合わせた日時に本工事を行う流れとなります。

ガラス戸の修理はガラス専門業者への依頼がおすすめ

ガラスの修理に対応できる業者は数多く、一般的なガラス屋のほか、一部のホームセンターや大手ハウスメーカー、工務店やサッシ屋、最近では店舗によりますが便利屋などでも請け負うことがあるようです。

ガラス戸に限らず、ガラスの修理交換を依頼するのであれば、基本的にはガラスの専門業者であるガラス屋がおすすめとなります。

理由は、ガラス専門業者のため知識が豊富で技術力が高い、メーカーから直接ガラスを大量に仕入れている可能性が高く料金が安い、依頼から工事完了までの対応が早いなど様々です。

ホームセンターやハウスメーカーは予約が取りにくく対応できるスタッフが少ないため、修理完了まで日数がかかるケースが多く、料金もガラス屋に比べると高くなることがほとんどです。

また、その他の業者ではガラスの修理実績が少ないため知識や施工技術に不安がある、アフターフォローサービスが不十分といったデメリットも懸念されます。

ガラスの専門業者であれば、単板ガラスであれば最短で即日中の修理工事に対応できる場合もあり、ガラスの扱いに慣れているためスピーディに工事を終わらせることができます。

DIYによって自分でガラス戸を修理する

DIYによってご自身でガラス戸の修理を行う場合、最大のメリットは修理にかかる費用を安く抑えることができるという点にあるでしょう。

ガラス屋や工務店などの業者を利用しないのであれば、人件費などの諸経費が発生しないからです。

ただし、ガラス修理のDIYは難易度が高く危険性が高いため、基本的にはガラス屋への依頼がおすすめとなります。

デメリットの詳細については、下記項目で解説いたします。

ガラス修理のDIYは難易度が高くデメリットが多い

ガラス戸に限らず、ガラス修理をDIYで行うデメリットは多く、基本的にはおすすめはできません。

第一にガラスの取り換え作業はDIYの中でも難易度が高く、失敗や怪我のリスクが高いです。

ガラスは見た目以上に重さがあり、サイズが大きく厚みがある物だと運搬中に落下して割れてしまい、買い直しとなる可能性があります。

業者の人件費を抑えるためのDIYでも、失敗すると費用が余分にかかり高くつくことが懸念されます。

また、修理用の新しいガラスは切りっぱなしの状態となるため、運搬するためには専用のガラス用吸盤を用意しなければなりません。

ガラス吸盤は高額で、通常はガラスを運ぶ以外の使い道がないので一度使った後は長期間しまったままになることが予想されますが、ゴム製のため経年劣化が進むと吸着力が低下し使用が困難になってしまいます。

そのほか、ガラスの切り口に触れて怪我を負うリスクがある、ガラスの固定が甘く隙間風や風雨が侵入する、しっかり固定されておらずガラス戸の開閉や風の影響でガタガタと騒音が起きるといったトラブルの心配もあります。

DIY作業が好きでガラス修理を楽しみたい場合は挑戦されてもいいかと思いますが、大変危険かつ難しい作業となるため、自信がない場合はガラス屋に任せた方が安心です。

すべて自己責任になりますので、DIYでガラス戸を修理する場合は安全に配慮し、細心の注意を払って行うようにしましょう。

自分でガラス戸のガラス修理をする方法と手順

ガラス戸の修理を自分で行う際は、以下の手順で作業を行います。

①割れたガラス戸の破片の回収、処分を行う

②交換用のガラス、道具、部品を用意する

③ガラス戸を枠から外す

④ガラス戸を分解し、はめ込まれている古いガラスを除去する

⑤新しいガラスにパッキン(グレチャン・ビート)をセットし、ガラス戸を組み立てる

⑥ガラス戸をサッシ枠の中に戻して固定する

交換用のガラスは、ガラス屋やホームセンターなどで必要なガラスの種類・サイズ・厚さなどの情報を伝え、切り出してもらうことで入手することができます。

近隣にガラス屋があれば、自分でガラスを運搬することで送料も節約可能です。

防犯ガラスや複層ガラスなどの機能性ガラスは、受注後の製造となるためメーカーやガラス屋に発注をかけ、完成品を発送してもらうことで入手できます。

ガラス戸が割れたときの応急処置について

ガラス戸が割れた!自分でできる応急処置とは

ガラス屋にガラス戸の修理を依頼した場合、破損したガラスの破片回収や処分は基本作業に含まれています。

ガラスの破片は簡単に皮膚を傷つけるため、できれば触らず、片付けはプロに任せるのが無難です。

ですが、台風や地震など災害があったためガラス屋の到着に時間がかかる、小さいお子様やペットがいる、人通りの多い道に破片が散らばってしまったなど、早急に破片の片付けが必要なケースでは、業者を待たずにご自身で応急処置を行っても問題はありません。

ここでは、ガラス戸が割れた際に自分でできる応急処置について、事前準備と、ガラスが大きく割れ落ちた場合と、ヒビが入った場合それぞれの対処方法について解説します。

応急処置の事前準備

割れた・ヒビが入ったガラス戸の応急処置を行う際は、まず怪我をしないように体を防護できる服装になりましょう。

皮膚を守るために、軍手や革手など厚手の手袋、長そで、長ズボン、安全靴など底が分厚い靴を着用します。

ガラスの破損位置が高い場合は、細かい破片が落ちて顔や目に当たらないようにするため、ゴーグルやマスクなどの使用もおすすめです。

破片の片付けに必要な道具は、トング、ホウキとチリ取り、古い新聞紙、ビニール袋のほか、掃除機、不要なストッキング、粘着テープなどがあると良いでしょう。

補修を行うための道具は、プラスチックダンボールやベニヤ板など穴を塞ぐための板、ビニール製のテープ、ごみ袋などの大きなビニール袋です。

ガラス戸に穴が開いた・破片が散らばっている場合

ガラス戸のガラスに穴が開いている、大きな破片が飛散してしまった状況での応急処置方法は、以下の通りです。

①トングや火ばさみを使うか、手袋をした手で大きなガラスの破片を集める

②ホウキとチリ取りを使って、細かいガラスの破片を集める

③古いストッキングを掃除機に被せて、粉状の破片を集める

④ダンボールやプラスチックダンボール、ベニヤ板などを使ってガラスに開いた穴全体を塞ぐ

⑤ビニールテープや防水テープなどで板を固定する

⑥破片を古新聞などに包み、ガムテープを巻き、自治体の分別ガイドに従いゴミに出して処分する

補足として、通販などで使用されることの多い通常のダンボールを利用して穴を塞ぐ場合、濡れるとふやけて強度がなくなってしまうため、雨が予想される時期であったり修理に時間がかかったりするときはゴミ袋やレジャーシートなどで覆っておくことをおすすめします。

また、板を固定するためのテープはガムテープでも良いですが、紙製では濡れると粘着力が無くなりますので、可能であれば布テープやビニールテープ、養生テープなど水に強い素材のテープを使うようにしましょう。

ガラス戸のガラスにヒビが入っている場合

ガラス戸のガラスが入った場合の応急処置方法は、以下の手順となります。

①ガラス戸の内側外側の両方から、ヒビに沿わせるようにビニールテープを貼る

②ヒビ割れの範囲が大きい場合は、プラスチックダンボールで補強してテープで固定する

ヒビ割れたガラス戸に応急処置を施す際は、ガラスを圧迫しすぎないように注意してください。

テープは紙製のテープよりも、防水効果の高いビニールテープや養生テープの使用がおすすめです。

また、ガラスや陶器に使用できるコーキング材なら防水効果が高いため、コーキング材を使ってヒビを埋めるのもおすすめの応急処置方法となりますが、コーキングに不慣れな場合は無理に行わず、テープで補強するようにしましょう。

割れたガラス戸の修理交換のまとめ

割れたガラス戸の修理について解説いたしました。

ガラス戸の修理にかかる費用は、ガラス戸に使用されているガラスの種類、大きさ、厚さなどによって変動します。

単板ガラスであれば、およそ20,000円から60,000円、機能性ガラスではおよそ38,000円から75,000円が目安となりますが、強化ガラス製のテンパードアなどの種類によっては150,000円以上になることもあります。

現場ごとに金額は変動しますので、詳しい費用金額を知るためには、ガラス修理業者による現地調査が必要です。

ガラス戸の修理にかかる費用は、災害や自然現象、泥棒被害など予測できない事故が原因でガラスが破損した場合では、火災保険が利用できる可能性があります。

ただし、破損理由が故意によるものでなく、補償範囲内の場合に限りますので注意が必要です。

賃貸住宅の場合は、標準設備に該当するガラス戸はオーナーに所有権があるため、台風や地震、イタズラ被害など入居者に過失がないのであれば基本的に貸主に修理費用の負担義務があります。

賃貸でも故意にガラス戸を破損した場合は、入居者が修理費用を負担しなければなりません。

割れたガラス戸を修理する方法は2通りで、ガラスの修理業者に依頼する方法と、DIYによって自分で修理する方法です。

ガラス修理のDIYは難易度が高く怪我や失敗のリスクがありますので、基本的にはガラス修理業者への依頼がおすすめとなります。

ガラス屋ミーアでは、破損したガラス戸の修理に最短で当日中の出張が可能です。

玄関ドアや勝手口のドア、リビング扉やバルコニーの出入口ドアなど一般住宅のガラス戸のほか、マンション共用部やビルのエントランスドア、商業施設や公共施設の自動ドア、店舗やオフィスの強化ガラス扉ほか様々なガラス戸の修理実績がございます。

修理対応はベテランによる安心工事、完全自社施工で価格もお安くなっております。

ガラス戸の修理が必要でしたら、ガラス屋ミーアまでお気軽にご依頼ください。

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