透明ガラスについて
透明ガラスとは
透明ガラスとは、いわゆる一般的な普通のガラスの事です。
透明度が高く、窓や扉や家具など様々な製品でガラスが幅広く使用されています。また、一番流通量が多いのもこの透明ガラスです。
製造方法や材料から、フロートガラスやソーダ石灰ガラスと呼ばれる事もあります。
また、透明ガラスという呼び名から、無色透明のガラスと思われる事が多いフロートガラスですが、実際には少し青や緑がかった色味をしている事から、青板ガラスとも呼ばれています。
一般的な窓に使用される厚みでは、この青みをほとんど意識することはありません。
厚めの透明ガラスや、透明ガラスを複数枚重ねたり、カットした断面や板ガラスを側面から見ていただく事で、色味を認識する事が出来ます。
アクリル等の素材では出しづらいガラス特有の青みである為、高級感を感じる事が出来ると好評です。
しかし、用途によっては青みの無い完全な無色透明のガラスでなければならない場合もあります。
さらに透明に近いガラスをお探しの方には、高透過ガラスをオススメしております。
磨りガラスや強化ガラス等、様々な種類のガラスが、このフロートガラスを加工して製造されています。
フロートガラスは、各種ガラスの素板であり、比較的に価格もお安いガラスです。
なお、厚さ10mm程までのフロートガラスであれば、市販のガラスカッターで切断したい箇所に傷を付け、圧力をかけるだけで簡単に切断する事が出来ます。
※注意
DIYでガラスの修理や取り替える事も可能ですが、切った後のガラスの切断面は大変鋭くなっており、触れると皮膚を切って怪我をしてしまう可能性がある為、取り扱う際には十分注意してください。
また、ガラスを正確な寸法で切り取り、サッシとの結合部をしっかり固定するには技術が求められます。
ご自身で試みたものの、失敗してせっかく購入したガラスを無駄にしてしまったり、その場では大丈夫でも後々の事故の原因に繋がる危険性もある為、ガラスの修理・交換は、専門業者に任せることをオススメします。
透明ガラスの製造方法
フロートガラスのフロートとは、float(浮く)という意味であり、フロート方式という製造方法から由来しています。
このフロート方式は、約1600°Cまで加熱し溶融されたガラス材を、溶融した金属スズの敷かれた大きなタンク(フロートバス)に継続的に流し込むという技法です。
溶融スズは溶融ガラスよりも比重が大きく、比重差のあるこの2つの液体は水と油のように自然沈降によって分離し、混じり合う事がありません。
これによって溶融ガラスは、溶融スズの表面を薄く浮かびながら広がっていきます。
このように溶融ガラスを浮かばせて製造することから、float(浮く)と名前に繋がっています。ちなみに、ガラスはオランダ語のグラス(glas)が語源です。
その後、溶融ガラスは溶融スズの上に流れていく過程で徐々に冷却しながら固化成形されていき、よく見る一般的な板状のガラスが出来上がります。
溶けたスズの表面は完全に滑らかな平面になっているため、その上に溶融ガラスを流し込む事で、溶融スズと接する面、空気に触れている面ともに、凹凸や歪みのない極めて平坦なガラスに仕上がります。
こうして成形される板ガラスは連続的に引き出され、この引き出し速度を調節する事で様々な厚みのフロート板ガラスを製造する事が出来ます。
ガラスの厚みは表面張力や重力、ガラスを引張る力の組合せを調整しながら作られる為、厚さも極めて均一です。
色々なガラスが、このフロート法で作られていますが、一般的によく使用される透明ガラスは、ガラスの中でも最も基礎となるガラスです。
その為、厚みの種類も豊富に存在しており、その規格はJIS R 3202により定められた2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、12mm、15mm、19mmの10種類があります。
他の種類のガラスには、これだけ厚みが沢山あるものはまずありません。
フロートガラスの表と裏
完成したフロートガラスには表と裏があり、製造時に溶融スズに面していた方をスズ面(またはボトム面)、反対側を非スズ面(またはトップ面)と呼びます。
見た目に違いはありません。通常使用する際は裏表関係なく使用されています。
ただし、スズに接していた面には薄くスズが付着しているため、印刷加工ではスズの影響により表と裏で発色が若干異なる等、加工内容によっては判別が必要な時があります。
ガラスの裏表は見た目で判別するのは難しく、見分ける方法の一つとして蛍光検査灯等の機器で紫外線照射するという様な方法がありますが、検査機器は簡単に手に入る物では無い為、あまり現実的ではありません。
しかし、検査機器を使用しなくても簡単に見分けれる方法が一つだけ存在します。
表と裏の判別方法
ガラスは、ガラスカッターで切れ込みを入れた後に折るという方法で切断します。
その為、完成した板ガラスをよく見ると、カッターを当てた面の切り口は少しザラザラしていて、反対面はエッジが効いた鋭利な状態になっているのが分かります。
フロートガラスの製造ラインでは、形成後に裏返される事なくそのまますぐに切断の工程に入る為、このザラザラした面が表側(非スズ面)、エッジの利いた方が裏側(スズ面)と分かる様になっています。
道具を使用しなくても簡単に見分けれる良い方法ではありますが、製造ラインと異なるタイミングで切断された場合や、切断面に磨き加工が行われていると判断する事は出来ません。
フロート製法の発明
ガラスの存在は紀元前からなります。そこからフロートガラスが生まれるまでには様々な方式が発明され、1660年代には大きな一枚板のガラスの製造に成功していました。
しかし、ガラスの両面が完全に平らで、かつ均一な厚みのガラスを作る事は難しく、住宅や電車等の窓ガラスには表面に凹凸とうねりのあるガラスが使われていた為、この時代のガラス越しに映る景色は歪んで見えていました。
凹凸が無い透明なガラスや、透明ガラスの加工によって生産される鏡もこの時代から存在してはいましたが、わざわざガラスの表面を研磨して凹凸を無くして作るしか方法がありませんでした。
しかし、そのやり方ではあまりにコストがかかってしまう為、透明なガラスは鏡や自動車など高度な品質が求められる用途に使用され、高級ガラスとされていました。
1950年代、そんな中で生まれたのがフロート製法です。
この製法は、イギリスのガラス製造企業、ピルキントン・ブラザーズ社の技術担当取締役であった、アラステア・ピルキントンによって発明され、ピルキントン・プロセスとも呼ばれています。
ガラスの両面が完全に平らで、均一な厚みのガラスを作る事が難しかった時代に発明された画期的なこの技法は、確立されてから今日に至るまで世界中のガラスメーカーで使用されています。
透明ガラスの使用用途
透明ガラスの代表的な用途としては、窓ガラスが挙げられます。
その他にも、テーブル天板やガラス棚、瓶や額縁ガラスなど大型家具から小物類、ちょっとしたガラス装飾に至るまで様々な物に利用されています。
また、ご家庭のみならず高層建築物やお店の商品陳列棚(ショーケース)、加工を施せば鏡に、厚みが厚ければ強度も上がりますので、水槽等にも利用されています。
なお、一番基本的なガラスですので専用のフィルムを使って、すりガラス調にリメイクしたり、後々になっても簡単に姿を変える事が出来るのも、透明ガラスの利点と言えます。
開放感が得られる
窓ガラスに使用されるのは透明ガラスだけではなく、磨りガラスや型板ガラス等の曇りガラスや、網入りガラス等、それぞれのガラスにメリット・デメリットがあります。
中でも透明ガラスの1番の特徴は、ガラスの外側が見えるというところです。
庭に接している窓には透明ガラスを採用し、家の中から庭が眺められるようにする事がほとんどです。
また、視界が外に抜けるとその分家が広く見えるという効果があり、視線が抜ける場所に透明ガラスを使うか他のガラスを使うかでは、家の中の広がり方が大きく違ってきます。
ただ、当然ながら外からも家の中がよく見えてしまう為、道路など外から見える場所に透明ガラスを使用する場合は、カーテンやブラインドなどを使って家の中が丸見えにならないような工夫が必要です。
その分、余計に費用がかさむという事もあり、周辺環境を考慮したガラスを採用する事で、より効果的にご使用頂けるかと思います。
透明度に比例して透過率も高い透明ガラスでは、他のガラスと比較してもより多く日の光を取り込む事が可能です。
日中、時期や方角によっては、電気を付けなくても部屋を明るくする事が出来る為、その分の電気代も節約出来ますし、やはり照明による人工的な明かりと太陽光とでは気持ち良さが違います。
この様に、窓に透明ガラスを使うだけで一気に開放的で清々しい空間を演出する事が出来ます。
防犯性が低い
透明ガラスは強度が低く、衝撃を受けるとすぐに割れてしまう為、防犯には向いていません。
空き巣・忍び込み・居空き等の泥棒は、住宅に侵入する時に窓ガラスを割り、窓越しに手を入れて内側から鍵を開けようとする事が多く、中でも人通りの少ない路地裏等、死角になりやすい場所の窓は格好の餌食になってしまいます。
その為、こういった場所の窓には、割れにくく防犯性に優れた防犯ガラスを導入しておくと安心頂けます。
また、特に小さなお子さんやペットのいるご家庭の場合には、不慮の事故で窓ガラスが割れてしまう事があるかもしれません。
透明ガラスは、割れた時にガラス片が鋭利になっていて大変危険です。
ガラス片が飛散しない様に、市販の飛散防止シート等のガラスフィルムを貼っておく事で、被害を抑える事が可能です。
耐熱性が低い
透明ガラスの耐熱温度は、110℃となっています。 これは、沸騰したお湯がおよそ100℃程にあたる為、万一、熱湯がかかってしまってもガラスが割れてしまう事がない程度の耐熱温度です。
揚げ物する時の油の温度は150℃〜200℃と、低くても150℃は超えていますし、110℃以下だとしても、冷えたガラスに熱湯をかけるというような急激な温度変化では、通常の透明ガラスは割れてしまいます。
その為、直接何かがかかる事が無くても、キッチン周り等で透明ガラスを使用する時は注意が必要になります。
使用する場所によって、少しでも不安が残る様であれば、耐熱温度が210℃である強化ガラスを使われる事をオススメします。
より透明度が高い高透過ガラス
透明ガラスは青板ガラスという別名の通り、ガラス特有の青み(緑色)を含んでいます。
この発色は、原材料に微量に含まれる鉄分の影響によるものであり、これに対して、極力鉄分を含まない原料を溶解して製造し、完成したのが高透過ガラスです。
高透過ガラスは、通常のガラスと比較するとガラス独特の青みが抜けた、極めて透明度の高いガラスです。その透明度の高さから高透明ガラスとも呼ばれています。
また、厚みを増せば増す程、青みが増える青板ガラスの対して、ガラスの厚みを増しても透明感を損なわないこのガラスを、国内では白板ガラスとも呼びます。
高透過ガラスの使用用途
テーブルトップや棚板などの家庭用ガラスにおいて、特に厚手のガラスを使用される場合には、普通の透明ガラスではやはり青みが強く出てしまい、透明度に不満を持たれる方が居られます。
この様に、フロートガラスの色味が気になる場合には、青い発色を極限まで無くした高透過ガラスを用いる事で、よりクリアにご使用頂けます。
高透過ガラスはその透明性から、ガラス越しに見る物の色を、ガラスの色に影響を受ける事なく、忠実に再現する事が出来るという特徴を持っています。
その為、博物館や美術館の作品展示用ショーケースや店舗のショーウインドウ等の用途では、内容物の芸術性を損なわずに保護する事ができ、重宝されています。
また、よくショーケースなどでガラスに映る反射を抑えた、映り込みの少ないガラスを使用する事がありますが、こういったガラスは低反射ガラスと呼ばれるガラスであり、高透過ガラスとはまた別のガラスです。
高透過ガラスは、ガラス越しにみた映像もクリアに映る為、液晶パネルやコピー機など各機器のカバーガラス、ディスプレーとしても利用されており、透明ガラスよりも透過率が高くより多くの光を通す事から、太陽電池のカバーガラスにも採用されています。
高透過ガラスはより透明度の高いフロートガラスであり、加工面においても非常に万能です。
防犯ガラスや強化ガラスに加工し、その透明性と防犯面、安全面を両立する事が可能であり、高価な美術品のショーケースとしても安心してお使い頂けます。
また、ガラスにプリント加工を用いた場合にも、はっきりとした発色を再現する事が出来る為、デザインの自由度も広がります。
透明ガラスを銀引き加工する事で鏡(高透過ミラー)になりますが、こちらも高透過ガラスを使用する事で、よりハイクラスな物になります。
実は、普通の鏡では鏡自体が緑がかっていることで、本来の顔色よりも明るく見える為、鏡を見ながら化粧をすると理想よりも派手目に仕上がる傾向にあります。
しかし、高透過のガラスで作った鏡であれば無色透明の為、より自然に仕上げる事が出来ます。
その透明性を活かし、様々な用途で活用される高透過ガラスですが、厚みや面積が大きくなると普通のガラス程ではありませんが、断面はやはり緑がかってしまいます。
普通のガラスよりも値段が高い為、使用面積や使用用途、ご予算などに合わせて適切な物をお選び頂く事で、より効果的に活用頂けます。
透明ガラスが割れた、欠けた、ヒビが入った、DIYに失敗した等でお困りの時は、ガラス屋ミーアにお任せください。
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