ガラスを割れないようにする方法と窓の台風対策について

窓ガラスを割れないようにするには

ガラスが割れないように対策するには

日光の取入れや換気などで必要なため、住宅には必ず設置されている「窓」。

通常のフロートガラスの窓は衝撃に弱く、台風や地震などが起きると簡単に割れてしまいます。

割れたガラスの破片は刃物のように鋭い形状となるため、ケガを負うリスクが高くなり非常に危険です。

特に風圧や飛来物によって窓ガラスが割れてしまうと、破片が家の中に飛び散って避難の妨げやケガの原因となりますし、割れた窓から入り込む風雨によって室内がめちゃくちゃになりかねません。

また、割れて穴が開いた窓をそのまま放っておくことは、見た目が悪いだけでなく空き巣や泥棒など犯罪者に目を付けられやすくなるといったデメリットもあります。

そのため、台風はもちろん日常の事故に備えて、ガラスを割れないように対策することがおすすめとなります。

窓ガラスが割れる原因は?

飛来物が当たり割れた扉のガラス

台風の時に窓ガラスが割れる原因の多くは、飛来物によるものです。

強風時には看板や植木鉢やトタン屋根など、思いもよらない物が飛んでくることもあり、ガラスにぶつかると破片が飛散し大変危険です。

小さなお子様や高齢者のいるご家庭では、おもちゃなどを投げてしまった、転倒やふらつきでぶつかった等が原因で窓ガラスが割れてしまうこともあるでしょう。

また、窓ガラスの設置状況や使用年数によっては熱割れや錆割れといった自然破損を起こすこともありますし、空き巣などの犯罪者によって破壊されることもあります。

ガラスは割れないように事前対策を行うことが重要!

残念ながら、割れないガラスというものは現時点では存在しません。

そのため、窓ガラスが衝撃を受けた時のことを想定して、事前に「衝撃を弱める」ように工夫することで、ガラスを割れないように対策することができます。

また、万が一窓ガラスが割れたりヒビが入ったりした時のことを想定しておくことも大切です。

「ガラスの破片が周辺に飛び散らない・穴が開かない」ように対策しておくことで、災害時に破片によるケガの二次被害を防止したり、防犯効果のアップから空き巣による窃盗被害のリスクを軽減したりすることができるようになるのです。

以下でガラスの補強方法と、割れにくく安全性の高いガラスについて詳しくご説明いたします。

窓ガラスの補強方法

ガラスを割れにくくする4つの補強方法

日本は年々、台風の上陸数が増えており、衝撃に弱く割れやすいガラスが破損することも珍しくなくなりました。

ガラスを補強しておくと大型の台風や地震など自然災害に備えとなり、被害を抑える効果が期待できます。

以下で、ガラスを割れにくくしたり破片による二次被害を低減させたりするためにできる4つの方法をご紹介いたします。

窓のガラスに飛散防止用フィルムを貼り付けたイラスト

ガラスに飛散防止用のフィルムを貼る

ガラス用の飛散防止フィルムは現在お使いのガラスに貼るだけで、低価格かつお手軽に窓ガラスに防災効果を持たせることができます。

フィルムには粘着性があり、窓に貼っておくとガラスが割れた際に破片がフィルムにくっつき落下しにくくなるため、破片が周辺に飛び散ることを防いで怪我のリスクを低減させる効果が期待できます。

また、飛散防止用のフィルムは窓だけでなく、食器棚やキャビネットといったガラスが使われている家具、リビング扉など室内ドアのガラスなどにも貼り付けておくと、災害時にガラス片による被害を低減できるためおすすめです。

飛散防止フィルムの貼り付け方法

まずは事前準備として窓ガラスの汚れを丁寧に取り除き、周囲を養生し、フィルムは窓のサイズに合わせてカット。

中性洗剤を2~3%に薄めた水溶液を作って霧吹きに入れておきます。

ガラスに水溶液をたっぷり吹き付けたら、フィルムから保護シートをはがしてガラスに貼り付けます。

フィルムの上から再度水溶液を吹き付けたら位置を調節して、中心からヘラを軽く滑らせてフィルムとガラスの間に入った空気と余分な水分を丁寧に取り除きます。

水抜きでガラスの枠に押し出された水分はキッチンペーパーなどできれいに拭き取っておきましょう。

気泡が残った場合も中の水分が乾燥しきっていなければ取り除くことができますので、力を入れすぎずゆっくり押し出すように除去してください。

窓ガラスにフィルムを貼る際は、種類に注意しよう

ガラス用のフィルムには様々な種類があり、ご使用されているガラスの種類によっては貼り付けができないものがございます。

例として、すりガラスやマット加工ガラス、レトロなデザインガラスなどガラス面に凹凸がある場合はフィルムがうまく取り付けられない可能性が高いです。

また、貼り付けるガラス面も室内用と室外用がある点にも注意しなければなりません。

特に注意が必要なのは網入りガラスやペアガラス(複層ガラス)で、相性が悪いフィルムを貼った場合は熱割れを起こす可能性があります。

市販品を購入される場合は、ご自宅の窓ガラスに施工可能な種類のフィルムであるかをしっかり確認しましょう。

ご不安な場合はガラス屋を利用されることをおすすめします。

目的に合わせたフィルムの選定から貼り付け作業はもちろん、アフターフォローの体制も整っているため万が一のトラブルの際でも安心です。

賃貸マンションでも飛散防止フィルムを窓に貼っていいの?

マンション・アパートなど賃貸住宅にお住まいの場合は、まずは管理会社やオーナー様にご確認ください。

基本的には原状復帰として退去時にフィルムを剥がすのであれば特に問題なく貼り付けができることが多いのですが、規約内容によっては不可であったり届け出が必要だったりする場合があるからです。

また、長期間使用されたフィルムは紫外線や太陽熱の影響などで劣化しガラスに固着しているため、剥がすのが困難になる場合がございます。

剥がし作業に半日から丸一日かかることも珍しくなく、粘着剤の跡が残ってしまった、カッターやスクレーパーなどを使用したためガラスに傷がついてしまったなどのトラブルが起きることもあります。

そのため、賃貸住宅でガラスのフィルム剥がし作業が必要になった際は、プロのガラス屋を利用された方が安全です。

窓のシャッターや雨戸でガラスを保護する

雨戸やシャッターを閉める

台風から窓ガラスを割れないように守る方法のなかで、もっとも効果的な対策です。

雨戸やシャッターは窓ガラスを直接カバーして守ることができます。

簡易的な補強では耐えることができないような、大きく重量のある飛来物から物理的にガラスを防護できるため、雨戸やシャッターがある場合は台風の前に閉じておきましょう。

また、リクシルやYKK APといった住宅設備メーカーから後付けで設置できる雨戸・シャッターが販売されており、ラインナップも手動・電動から選べます。

DIYとして自分で取り付けることもできますが、外壁の厚さや塗装剤、骨組みや窓の形状によって設置できる製品が異なることや、場合によっては取り付けができない場合もあるため注意点が多いです。

費用はDIYより上がりますが、台風対策として後付けによる雨戸やシャッターの導入をお考えであれば施工業者の利用もおすすめです。

段ボールや板などを使って補強する

段ボールやベニヤ板などを使って、窓を覆うようにカバーする方法です。

おすすめは窓を挟んで内側と外側の両方を補強する方法で、飛来物による窓ガラスの割れ防止と、破片の飛散防止の効果を持たせることができます。

段ボールは通常のものだと雨に濡れるとふやけて強度が下がってしまうため、プラスチック段ボールの使用がおすすめです。

プラスチック段ボールは小さいサイズであれば、100円均一ショップでも売られています。

掃き出し窓など大きい窓ガラスの割れ対策に使うような大型サイズは、ホームセンターやネットで手に入れることができます。

ベニヤ板など硬い板を窓に取り付ける際には、ガラスはもちろんサッシや外壁などに傷がつかないように慎重に作業を行いましょう。

発泡スチロールなどでも代用することができます。

テープで窓ガラスの飛散防止

テープを使って補強する

もっとも簡易的なガラスの補強方法となりますが、ガラス自体に強度を持たせるわけではありません。

台風の前にあらかじめ窓にテープを貼っておくことで、ガラスが割れてしまった時に破片が飛散しないように対策をとる方法となります。

テープはガラスに対して「米」または「*」のように貼り、米の字を囲むような形で窓枠の4辺にも貼ります。

よりガラスの飛散防止効果を高めるのであれば、格子状にテープを貼りつけてください。

窓ガラスに貼るテープの種類は、ホームセンター等で売られている飛散防止用の専用テープを用意するか、養生テープやビニールテープ、ガムテープなどで代用してもよいでしょう。

上記でご紹介した、段ボールやベニヤ板を使ったガラスの保護との併用もおすすめです。

注意点としてガラスに貼ったテープは長時間放置すると、はがす際に粘着剤が取り切れず、残ってしまう可能性があります。

ガラスの割れ防止に使ったテープは不要になった時点でなるべく早く剥がすか、跡が残った場合は洗浄剤やスクレーパーなどを使って取り除いてください。

割れにくく安全性が高い窓にするなら「合わせガラス」がおすすめ!

台風対策・防災・防犯なら合わせガラスがおすすめ

ガラスを割れにくくさせ破片の飛び散りを防ぐのであれば、合わせガラスの導入がもっともおすすめです。

割れにくく穴が開きにくい、枠からの脱落もしにくい性質を持っており、防災だけでなく防犯に対する効果も高いです。

さらに、UVカット性能などの副次的効果も得ることもできます。

合わせガラス(防犯ガラス)とは?

合わせガラスの構造

合わせガラスは耐貫通性が高く、物が衝突したり枠が歪んだりしてもガラスに穴がなかなか開かない構造です。

2枚のガラスとガラスの間に特殊な中間膜を挟んで、加熱・圧着して結合したものが基本構造となります。

中間膜にはガラスへの強い粘着性を示す特殊樹脂のPVB(ポリビニルブチラール)、またはポリカーボネート(PC)が使用されており、ガラスが破損した際には中間膜に破片が貼りつくため、尖ったガラス片が周辺に飛散することを防止できるのです。

中間膜は厚みがあるほど貫通しにくくなり、30ミル(0.8mm)、60ミル(1.5 mm)、90ミル(2.3 mm)の3種類がございます。

合わせガラス(防犯ガラス)のメリット

ガラス自体が割れにくく破片の飛散防止効果をもっていますので、テープや板を使った補強のように見た目を損なうことがありません。

中間膜はガラス全体に圧着されており、震災などでサッシが歪んでもガラスが脱落しにくいという特徴もあります。

また、防犯合わせガラスは防犯性能が高いことを示すCPマークのシールが貼られているため、犯罪者に対して割りにくいガラスということをアピールすることもできるのです。

経年劣化ほとんどなく、一度交換してしまえばメンテナンスが不要となります。

そのほか、樹脂中間膜には断熱や防音効果があり、紫外線は99%以上カットする性能が備わっており日焼けや日光アレルギーといった肌トラブルや、家具の色褪せを防止する効果も期待できます。

合わせガラス(防犯ガラス)のデメリット

合わせガラスは通常のフロートガラスと比較すると商品価格が高いため、導入コストがかかります。

特殊樹脂中間膜の効果によって穴が開きにくく突破は困難ですが、時間をかければ割ることはできるため防犯に対して絶対の効果があるわけではありません。

また、緊急時に屋外へ避難する際に、ガラスを割ることが困難というデメリットも挙げられます。

おすすめの合わせガラスをご紹介!

日本国内の大手ガラスメーカーと、該当シリーズをご紹介いたします。

AGC(旧旭硝子)はセキュレシリーズ、日本板硝子はセキュオシリーズ、セントラル硝子はラミレックスシリーズがおすすめとなります。

それぞれのシリーズには1から4段階のレベルがあり、レベルが高いほど中間膜が厚くなり防災・防犯効果が高くなります。

一般社団法人板硝子協会は中間膜の厚みが60ミル以上の製品を「防災安全合わせガラス」としており、セキュレならレベルⅡ、セキュオは60、ラミレックスならBG60以上の製品を選定するとよいでしょう。

合わせガラス以外で、割れにくいガラスはあるの?

強化ガラス

強化ガラスは防災性は高いが防犯には不向き

強化ガラスと合わせガラス(防犯ガラス)は似たものとイメージされる方も多いですが、構造・性能・用途ともにまったく違うものです。

強化ガラスは「安全ガラス」とも呼ばれており、通常のフロートガラスに650~700℃の熱処理を強化炉で加え、冷風を均一に吹き付けて急速に冷却して製造されています。

急激な熱変化によってガラスの性質が変化し、通常のガラスに比べると3~5倍程度の強度があります。

性質は、ガラス面にかかるような全体への圧力に対しては強く割れにくいのですが、一方で一点に集中した衝撃への耐性は低いです。

最大の特徴はガラスが割れた時の破片の形状で、小さな粒のような形状となります。

通常のフロートガラスが割れると破片は刃物のような鋭さとなり非常に危険ですが、強化ガラスの破片は粒状で尖った部分がほとんどありません。

また、割れた場合には破片が砕けて脱落するため、大きな穴が開いてしまいます。

そのため、安全性は高いですが、防犯には不向きと言えるでしょう。

ガラスが割れてしまった時に周辺の人に怪我をさせない目的で設置されることが多く、学校やオフィスビルの窓やドア、店舗のショーウインドウやディスプレイケースや間仕切りなどでよく使われており、一般家庭ではテーブルの天板やラックなどでよく使用されています。

網入りガラス

網入りガラスは防火目的のガラスで防災・防犯には不向き

網入りガラスは、ワイヤーが封入されたガラスのことを指します。

名前や見た目から割れにくいと思われることが多いガラスですが、実は防災性・防犯性は期待できません。

建築基準法において、建物が密集している防火地域や準防火地域内の建築物では、開口部で延焼のおそれのある部分には防火戸や、政令で定められた遮炎性能がある防火設備を設けることが義務付けられています。

網入りガラスは「加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないもの」として技術的基準に適合することから防火設備に該当しているため、防火指定のある開口部に設置されているのです。

このように、網入りガラスは「火災時にガラスの割れ落ちを防止し、炎の燃え広がりを防ぐ」という目的で、防火設備として設置されるのですが、防犯面ではほとんど効果がなく逆効果とまで言われることもあります。

耐久性は通常のフロートガラスとほとんど変わらないため、強い衝撃を受けると簡単に割れてしまいます。

また、ワイヤーがあることでガラスを破壊したときに衝撃音が遠くまで響きにくい、破片がワイヤーにひっかかることで飛散や割れ落ちが少ない、さらにワイヤー自体はハサミやカッターなどの工具で簡単に切ることができることから、犯罪者にとっては破壊しやすい窓と言えるのです。

また、網入りガラスは「熱割れ」や「錆び割れ」といった自然破損を起こしやすい点にも注意が必要です。

ガラスを割れないようにする方法のまとめ

今回は窓を割れないようにする方法についての解説でした。

ガラスは強い衝撃を受けると必ず割れてしまうため、「割れないように補強する・割れた時に破片が飛び散らないようにする」ように対策をとることで、ガラスの破損や破損時のケガのリスクを低減させることができます。

ガラスの補強方法はいくつか種類がありますが、ご紹介した中でも特に効果が待できるのは「飛散防止用のフィルムをガラス貼り付ける」ことと、「窓ガラスを合わせガラス(防犯ガラス)に交換する」方法です。

特に防犯合わせガラスの導入は防災だけでなく防犯面でも高い効果があり、フィルムよりも劣化もしにくく紫外線カット効果もあるなどメリットが多数あるため、人気かつおすすめの方法となります。

窓ガラス交換などご検討の際は、最短日程・低価格にて施工をご案内するガラス屋ミーアまで、まずはお気軽にお電話でご相談ください。

お問い合わせはコチラ
ガラス屋ミーアへのお問合せはこちら ページ上部へ