コールドドラフトの原因と対処法について

コールドドラフトの原因と対策

コールドドラフトとは?

寒い冬の季節、「暖房をつけているのに足元が寒い」といった経験はありませんか?

この現象は「コールドドラフト」と呼ばれるもので、室外の冷気が窓を伝わり、室内の暖かな空気を冷やして下降するため発生する現象のことです。

コールドドラフトは、なぜ起きるのか

冷たい空気と暖かい空気の流れ

空気は「温度によって体積が変わる」という性質を持っています。

空気は冷えているほど密度が高くなるため体積が小さくなり、暖かいほど密度が低くなって体積が大きく広がります。

そのため冷たい空気と暖かい空気では同じ体積に含まれる密度が違うため、高密度な冷たい空気は下降して低密度な暖かい空気を押しのけて上昇させてしまうのです。

では、具体的にどのような状況でコールドドラフト現象が起きてしまうのかと言うと、下記で解説する2つの理由が主な原因となります。

コールドドラフトの発生原因①窓の断熱性が低い

熱が最も流出するのは窓

玄関扉や勝手口や窓といった開口部は壁に比べて薄く、スムーズに開け閉めを行うためにわずかな隙間が設けられています。

開口部のなかでも窓は扉よりも数が多く軽く薄い形状であり、室内外における熱の出入りが最も大きい設備です。

そのため窓や窓まわりの断熱性が低いと、せっかくエアコンやストーブなどで室内の空気を暖めても、外から伝わる冷気によって暖めた空気が冷やされてしまいます。

冷やされた空気は窓から壁を伝い床に向かってL字型に広がり窓際や足元に留まるため、暖房が稼働しているのに寒く過ごしにくい状況を作り出してしまうのです。

コールドドラフトの発生原因②お部屋が縦に広い構造をしている

室内の空間が縦に広くとられている構造の家は、上下で温度差が大きくなりやすいためコールドドラフトが起こりやすいと言えるでしょう。

例えば吹き抜けスペースがある、リビング内に階段がある場合は特に空間の上下で温度差が大きくなってしまい、窓際や足元が冷えやすくなります。

吹き抜けやリビング階段がある家は高い開放感が得られる、効率的に日光を取り入れることができるため室内が明るくなる、風通しが良い、家族間でのコミュニケーションが取りやすいなどのメリットから人気がありますが、冷暖房効率は非常に悪いというデメリットに注意しなければなりません。

もしご自宅に縦に長い空間を取り入れるのであれば、暑さ寒さ対策について建築士と相談されることをおすすめします。

コールドドラフトが起きると、どんな影響があるの?

一般的に室内の上下温度差が3℃以内であれば快適に過ごせると言われています。

言い換えれば、上下温度の差が大きくなるほど不快感が増すということにもなります。

窓の断熱性が低かったり家の構造が縦に広かったりするなど、環境によってはコールドドラフトによって10℃以上の温度差となることも珍しくありません。

室温の上下で温度差があると家の中でリラックスして過ごせないどころか、家計や健康に影響がでる場合もあるのです。

体感温度が低くなるため、光熱費が高くなる可能性がある

体感温度の計算式

玄関扉や勝手口や窓といった開口部は壁に比べて薄く、スムーズに開け閉めを行うためにわずかな隙間が設けられています。

開口部のなかでも窓は扉よりも数が多く軽く薄い形状であり、室内外における熱の出入りが最も大きい設備です。

そのため窓や窓まわりの断熱性が低いと、せっかくエアコンやストーブなどで室内の空気を暖めても、外から伝わる冷気によって暖めた空気が冷やされてしまいます。

冷やされた空気は窓から壁を伝い床に向かってL字型に広がり窓際や足元に留まるため、暖房が稼働しているのに寒く過ごしにくい状況を作り出してしまうのです。

身体に負担がかかってしまう

「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」をご存知でしょうか。

昔からある東洋医学の健康法で、文字どおり頭を冷やし足を温めることで自律神経が整い頭痛やめまいの改善、血行の循環改善、自然治癒力の活性化、冷え性防止や疲労回復など、様々な効果が期待できるとされています。

コールドドラフトが起きると、暖房をつけていて顔や体にあたる空気は暖かいのに冷えた窓まわりから発生した冷気によって足元が冷えてしまうため、頭寒足熱とは真逆の状態となってしまいます。

足元の冷えは基礎代謝の低下や老廃物の排出機能の低下、むくみや自律神経の不調などの原因となります。

また、痩せにくく太りやすい体質になりやすい、さらには免疫力の低下、脳溢血のリスク向上にもつながる可能性もあるのです。

コールドドラフトの対策は窓の断熱性アップがオススメ!

コールドドラフト対策なら窓の断熱

コールドドラフトの抑止として効果が高いのは、「窓や窓まわりの断熱性を高める」ことです。

スタンダードな1枚ガラスの窓は安価で軽量で扱いやすく、普及率も高いため戸建てマンション問わず様々な建物で使用されていますが、熱伝導率が非常に高いという性質を持っており断熱性能はとても低いのです。

1枚ガラスの窓だと室外の空気の温度が窓ガラスを通して室内に大きく影響してしまうため、窓を閉めていてもエアコンやヒーターなどの空調は効きにくくなります。

特に日本の住宅は海外諸国に比べて気密性・断熱性が低いため、コールドドラフトが起きやすくなっています。

そのため、コールドドラフトを防止して足元を冷えにくい家づくりを考えるのであれば、窓の断熱性を高めることが重要になるのです。

以下で、窓や窓まわりのコールドドラフト対策・断熱性を向上させる方法を詳しくご紹介します。

窓を複層ガラス(ペアガラス)に交換する

ペアガラスの窓

複層ガラスは2枚のガラスの間に中空層を設けて1組として扱う窓ガラスです。

優れた断熱性を持ち、省エネ効果の高さから近年建築されている新築戸建て・集合住宅の大半で取り入れられています。

板硝子協会の「複層ガラス/Low-E複層ガラス普及率の推移」によると、2020年(令和2年)は戸数あたりの複層ガラス普及率の調査結果は、新築一戸建てで98.5%、新築共同住宅で76.2%という結果でした。

中空層の幅はスタンダードタイプで6mm、高機能タイプで12~16mm、中には乾燥空気やアルゴンガスが封入されているか真空状態となっている製品もあり、種類によって性能が異なります。

窓の断熱ならエコガラス!

窓の断熱ならエコガラス

「エコガラス」は、複層ガラスの中空層に面しているガラスの片面にLow-E金属膜がコーティングされたもののことです。

Low-E金属膜は放射による伝熱を少なくする性質を持っており、断熱性は通常の複層ガラスの1.7倍です。

熱を吸収・反射させることで暖房効率が飛躍的にアップします。

エコガラスのLow-E金属膜はコーティングが施されている面によって効果が異なります。

「遮熱タイプ」は中空層の外側、室外側に面したガラスにLow-E金属膜が塗布されており、断熱効果だけでなく強い遮熱効果を持ちます。

太陽の熱を適度に遮断するため、日光が入りすぎてジリジリとした暑さが気になるお部屋には遮熱タイプのエコガラスがおすすめです。

「断熱タイプ」はコールドドラフト対策にピッタリのエコガラスで、中空層の内側、室内側のガラス表面にLow-E金属膜が塗布されています。

太陽の熱を適度に取り入れ、暖まった室内の空気の熱が外に伝わるのを抑止する効果があります。

弊社おすすめのエコガラス(Low-E複層ガラス)はこちら!

セントラル硝子のペアレックスヒートガードシリーズ、AGC(旧旭硝子)のサンバランスシリーズの日射取得型タイプ、日本板硝子のペアマルチシリーズの日射取得型などがおすすめです。

メーカーによる基本性能の違いはほとんどありませんが、各シリーズでグレードがあるため予算と性能を比べて商品を選ばれることをおすすめいたします。

また、AGC(旧旭硝子)のペヤプラス、ペヤプラス・エアはアタッチメントフレームが装着されたエコガラスで、現在お使いの1枚ガラス用のサッシにそのまま装着することができます。

お悩みの際は弊社スタッフが適切な種類のエコガラスをご提案しますので、お気軽にご相談ください。

二重窓(内窓)を設置する

二重窓はコールドドラフト対策におすすめ

こちらはコールドドラフト対策として、弊社が最もおすすめする窓の断熱方法です。

既存の窓やサッシを取り換える必要がありませんので工事が大掛かりにならず、コスト面や施工性から取り入れやすく、作業時間も比較的短時間で済ませることができます。

二重窓(内窓)は、1枚ガラスの窓の内側に窓枠ごと窓をもう1つ取り付けることです。

窓が二重になることでガラスとガラスの間に空間ができるため室外の冷気が室内に入りにくくなり、サッシも2つになりますので隙間風の侵入も防ぐことができます。

窓際の冷えが改善されるため、暖房効率がアップし室温を快適に保つ効果や節電効果が期待できるのです。

また、二重窓(内窓)はコールドドラフトの対策以外にも様々なメリットがあります。

窓は空き巣や泥棒が住宅内に侵入する際に最も狙いやすい場所ですが、二重窓(内窓)だとガラスの破壊に時間がかかるため避ける傾向にあり、防犯効果が期待できます。

ガラスとガラスの間に空間ができるため音の振動が伝わりにくくなり、外からの騒音をカットしたり室内の生活音や話し声を外に漏れにくくしたりする効果もあります。

デメリットとしては窓が2つになるので空間を圧迫すること、換気などで窓を開ける時に鍵の開け閉めと窓の開閉を2回行わなければならなくなること、掃除が少々面倒になることなどが挙げられます。

サッシは素材によって、熱伝導率が大きく変わる

サッシの熱伝導率の違い

日本では、木造建築が主流の時代にはサッシにも木材が使用されてきました。

昭和30年代に入ると各住宅メーカーはサッシ素材にアルミを起用しはじめ、大半の住宅においてアルミサッシがみられるようになりました。

アルミサッシは安価で丈夫で加工もしやすいため長年人々の生活を支えてきましたが、熱の伝導率が非常に高いという性質を持っているため、家の中の熱を外に逃がしやすく断熱には不向きです。

その後1973年(昭和48年)のオイルショックが起きると、省エネルギーを意識した高断熱な家づくりが求められるようになり、サッシ素材には熱の伝導率が低い樹脂が使用されるようになりました。

このようにサッシは木製からアルミ、アルミから樹脂へと移り変わってきましたが、熱の伝わりやすさを比較するとアルミが200W/mKで最も高く、樹脂が0.2 W/mK、木材が0.16W/mKとなっています。

現在販売されている二重窓(内窓)は大半の製品に樹脂サッシが、一部製品で木材サッシが使用されており、断熱効果が高くコールドドラフト対策になることから簡易リフォームとして非常に人気が高いです。

二重窓(内窓)の設置は、補助金・助成金の対象です

政府は住宅の省エネ化を推奨しており、二重窓(内窓)を使用したリフォーム工事は補助金・助成金の対象となっています。

補助金・助成金の制度は実施機関がいくつかあり、時期や対象条件や補助金額に違いはありますが、新築一戸建てのみならず既存の一軒家やマンションなども対象となっている場合もございます。

2023年現在では複数のキャンペーンが用意されており、最大で200万円の助成金がおりる場合があるため、コールドドラフト対策で二重窓(内窓)の設置をお考えでしたら活用されることをおすすめいたします。

弊社おすすめの二重窓(内窓)はこちら!

樹脂サッシの二重窓(内窓)なら、三協立山アルミのプラメイクEⅡ、AGC(旧旭硝子)のまどまど、リクシルのインプラス、YKKPAのプラマードUなどがおすすめです。

寒冷地など特に窓まわりの冷えが気になる場合は、AGC(旧旭硝子)のインナーウインドまどまど、大信工業の内窓プラストが良いでしょう。

木製の二重窓(内窓)ならウッドワンのMOKUサッシで、天然の木を使用しているため意匠性が高く調湿効果もございます。

二重窓の取り付けをご検討の際は、弊社までお気軽にご相談ください。

サッシの部品の修理や交換を行う

こちらは簡易的な方法で、ご自身でもできるコールドドラフト対策となります。

窓は開閉がスムーズにできるようにわずかな隙間があるのですが、長年使用していると部品が劣化し隙間が大きくなり、気密性が低下します。

特に戸車・パッキン・クレセント錠などは摩耗しやすく歪んだり外れたりしやすい部品です。

隙間風が室内に大きく入り込んでいる場合は、これらの部品が損傷していないかチェックしてみてください。

全てホームセンター等で入手することができるため、ご自身での修理も可能です。

自分での修理が難しい場合は業者を利用されることをおすすめいたします。

また、賃貸住宅の場合はDIYに失敗すると故意に破損させたとみなされる可能性があるため、無理にさわらず管理会社やオーナー様にご相談ください。

窓に断熱シートを貼る

窓ガラスに熱を通りにくくするシート(フィルム)を貼ることで、ガラス自体に断熱効果を持たせる方法です。

シートは豊富な種類があり、市販のものなら低価格で購入できます。

ご自身での作業が可能ですが、貼り付け作業はコツがいるため少々難しく、貼り直しも容易ではありません。

また、ガラスの種類によって貼り付けができないシートもあります。

特にマンションやアパートなど集合住宅の窓に使用されている網が入っているガラスに断熱シートを貼ると、熱割れを起こす可能性がありますので注意が必要です。

シャッターや雨戸、カーテンを使用する

夜間から明け方の時間帯におすすめのコールドドラフト対策方法です。

シャッターや雨戸をきちんと閉めていると窓との間に空気層ができるため熱が伝達しにくくなり、窓際から侵入する冷気をブロックする効果が期待できます。

カーテンは断熱性が高いタイプを選び、大きさをサッシの下部分より少し長くしておくことで空気の熱が移動しにくくなります。

パネルヒーターを設置する

パネルヒーターは輻射熱によって部屋を暖める暖房器具で、窓の下に置くことで外部の冷気で冷やされた空気を暖めることができます。

コールドドラフトに対して非常に効果がありますので寒冷地でよく普及しており、北海道においては新築一軒家でのセントラルヒーティング式パネルヒーターの普及率が7~8割と言われています。

セントラルヒーティング式はボイラーで作った温水を各部屋のパネルヒーターに送り、室温を調節する仕組みです。

住宅内に温水配管を通さなければならないため、後付けはリフォーム規模も金額も大きくハードルが高いと言えるでしょう。

電気パネルヒーターであれば、コンセントから電源を確保することで簡単に設置できるため導入しやすいです。

サーキュレーターを使って空気の循環を促す

空気の循環図

吹き抜けや室内階段があるなど、お部屋の空間が縦に広い場合におすすめの方法です。

コールドドラフト現象は室内の天井付近に暖かい空気が、床や壁付近に冷たい空気が集まります。

サーキュレーターによって留まっている空気を循環させると、上下の温度差が緩和され過ごしやすい温度に調節することができます。

ガラスの交換ならガラス屋ミーアへ

コールドドラフトの原因と対処方法についてご紹介しました。

エアコンやストーブ等の暖房器具を使っているのに、部屋が暖まらない等ございましたらコールドドラフト現象が起きているのかもしれません。

前述のとおり、コールドドラフト対策には窓の断熱性アップがおすすめです。

窓のガラス交換や内窓の取り付け工事をお考えの際は、年中無休・お見積もり無料のガラス屋ミーアまでお気軽にご依頼ください。

お問い合わせはコチラ
ガラス屋ミーアへのお問合せはこちら ページ上部へ