窓ガラスの防犯対策とは!窓の防犯性を高める方法

窓の防犯について

窓は、空き巣や泥棒の侵入経路に選ばれやすい

空き巣や強盗などの犯罪者が、建物に侵入する際の経路に「窓」が選ばれやすいということをご存知でしょうか。

太陽光の取入れや空気の入れ替えなどから建物には必ず設置されている窓ですが、ドアに比べて数が多く破壊も簡単なため、多くの犯罪者が目をつけるようです。

警視庁が発表している令和4年の侵入窃盗の認知件数によると、窃盗被害に遭った一戸建て住宅の12,071件のうち6,454件(53.5%)で、窓が犯罪者の侵入経路となっています。

また、共同住宅においても侵入窃盗の侵入口のターゲットに窓が選ばれるケースが多く、3階建て以下の住宅では2,866件のうち1,166件(40.7%)、4階建て以上の住宅で1,587件のうち389件(24.5%)が、窓を侵入経路として空き巣や強盗、窃盗など被害に遭っているという結果が出ているのです。

このことから、窓や窓まわりを犯罪者が嫌うように工夫することが、家の防犯・泥棒対策において重要かつ効果的であるということが分かります。

令和4年の一戸建て住居対象の侵入窃盗の侵入口 3階建て以下・共同住宅での侵入窃盗の侵入口 4階建て以上・共同住宅での侵入窃盗の侵入口

防犯性の低い窓は、簡単に破壊されてしまう

窓を侵入経路に選ぶ窃盗犯のほとんどは、ガラスを割って穴を開け、室内に手を入れて鍵を直接開けて侵入します。

ガラスを破壊する際には「突き破り」、「こじ破り」、「焼き破り」の3種類の方法が主に使われています。

窓ガラスの破壊手口①:突き破り

窓ガラスに強い衝撃を与えて破壊する方法です。

バットやハンマーやバール(釘抜き)などの道具を使って窓を強く叩いたり、コンクリートブロックやレンガや植木鉢など周辺の物を投げ込んだりする攻撃手段が想定されます。

通常の1枚ガラスの窓では1秒もかからず簡単に割ることができますが、破壊音が大きく周辺にガラスの破片が散らばります。

この方法を使う犯罪者は目立つというリスクを恐れておらず、非常に危険性が高いと言えるでしょう。

窓ガラスの破壊手口②:こじ破り(三角割り)

テコの原理を利用した窓ガラスの破壊方法です。

具体的にはまずサッシ(窓枠)とガラスの間に先の尖った道具を差し込んで、隙間にぐいぐい押し込むことで圧迫されたガラスにヒビを入れます。

窓の鍵周辺に対して2~3か所ほど同じように攻撃を加えると、ヒビが繋がってガラスに小さな穴が開き、そこから手を入れて解錠し窓を開けるのです。

道具はマイナスドライバーやカッターなど鋭利な物が使用されます。

こじ破りは他の方法と比べて破壊音が小さく、慣れていると10秒以内と短時間で窓を開けることができるという特徴があります。

板硝子協会の「ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準(2006年2月版)」によると、こじ破りは日本独特の侵入方法とされています。

窓ガラスの破壊手口③:焼き破り

熱伝導率が低いガラスの性質を利用した、比較的新しい窓の破壊方法です。

ガスバーナーやライターでガラスを熱したあとに、冷却スプレーを噴射したり冷水をかけたりすることで急激な温度変化を生じさせ、ガラスを破損します。

焼き破りはほとんど音がせず慣れていると20秒以内ほどでガラスを割ることができるため、在宅時の居空き・忍び込みでも気づかない可能性が高く、注意が必要です。

侵入者に狙われやすい窓の特徴とは?

窓を侵入経路にする空き巣や窃盗犯は「窓の位置が体を隠しやすい場所にあるか」、「窓ガラスが簡単に破壊できるかどうか」、「侵入に時間がかからないか」などを考えて、条件に当てはまる家を探します。

つまり、窓や窓まわりの環境を犯罪者にとって都合の悪い状態にしておくと、空き巣や窃盗被害を防止に繋がるのです。

窓の防犯性を高める方法

窓を狙った犯罪者のはできるだけ速やかに侵入することを考えるため、窓ガラスを割るのに時間がかかりすぎると発見を恐れて侵入を諦めることが多いです。

警視庁生活安全部が逮捕者に対して行ったアンケートによると、屋内に侵入するのに5分以上の時間がかかった場合に犯行を諦めると答えた犯罪者は約7割という結果がでています。

このことから、侵入者に対して「窓を破壊することが困難である」と思わせることができるように窓まわりの環境を整えることが、窓の防犯に高い効果が見込めると言えるでしょう。

また、「窓を割るのに目立ってしまう」、「防犯意識が高い家である」ことが一目でわかるように工夫することも、初期侵入に対する抑止効果が期待できます。

以下で、窓や窓まわりの防犯についてオススメの方法をご紹介します。

窓に内窓を取り付ける

内窓(二重窓・二重サッシ)はもともとの窓の内側に、もう1つ窓枠ごと窓を取り付けることです。

家の断熱や防音効果を求めて設置される方が多いのですが、内窓(二重窓)は防犯効果も期待できます。

窓が二重になりますので、ガラスを2枚割って鍵を2回開けなければならないため突破に時間がかかりますし、見た目から「侵入が面倒だ」と思わせる効果もあります。

内窓(二重窓)に使われるガラスは通常の1枚ガラスがポピュラーですが、2枚のガラスがセットになった複層ガラス(ペアガラス)や、粘着性の高い中間膜を挟んだ合わせガラス、ガラスに穴を開けにくくする効果がある防犯フィルムが貼られたガラスなど、窓の防犯を意識した商品もございます。

弊社でも内窓(二重窓)は防犯・断熱・遮熱などの面から施工のご依頼をいただくことが多く、リクシルのインプラス、AGC(旧旭硝子)のまどまど、YKKPAのプラマードUなどが人気の商品となっています。

特にプラマードUは引手と鍵が一体型となっており、窓を閉めると自動的に鍵が閉まる仕様なので、防犯を強く意識されている方にはおすすめです。

また、三協立山アルミのプラメイクEⅡは「空かけ防止機能」が標準で装備されており、クレセント錠がきちんと施錠されている時は緑色のマーカーが見えますので、鍵のかけ忘れ対策にぴったりです。

窓ガラスを防犯ガラスに交換する

防犯ガラスは2枚の板ガラスの間に中間膜を挟み込み、加熱圧着加工によって結合させたガラスです。

中間膜は特殊樹脂の「PVB(ポリビニルブチラール)」が一般的に使用されており、透明で弾力性・粘着性に富み、ガラスや金属にくっつくという性質を持っています。

一般的に使用されることの多い1枚ガラスの窓は衝撃に弱く、強い攻撃を受けると1秒もかからず簡単に破壊できてしまいますが、PVB樹脂膜が挟まれた防犯ガラスは強い衝撃を加えられた際にヒビが入っても、破片が中間膜に貼りつき貫通しにくくなるため窓の防犯に最適なのです。

車のフロントガラスが防犯ガラスと同じ合わせガラス構造で、イメージしやすいかと思います。

PVB樹脂膜は厚みがあるほど耐貫通性が高くなり、透明度が高いため採光性や開放感は損なわれません。

防犯ガラスの種類は?

代表的な防犯ガラスはAGC(旧旭硝子)のセキュレシリーズ、日本板硝子のセキュオシリーズ、セントラル硝子のラミレックスシリーズです。

防犯ガラスは中間膜の厚さによって防犯性が変わり、防犯レベルによって1~4でランク分けされています。

店舗や事務所など業務用で防犯ガラスをお探しであればレベル4の「セキュオSP」、「バンガード」、「セキュレ(レベルⅣ)」などの設置がおすすめです。

業務用レベルの防犯ガラスでは中間膜がPVCではなく、カーポートの屋根や高速道路の防音板などにも使用される強化樹脂のポリカーボネート(PC)が使われており非常に高い防犯性能がございます。

また、防犯レベルが低いレベル1の商品でもCPマークが付き、侵入者に対して視覚的な防犯アピールを行うことができます。

CPマークとは?

CPマークは警察庁・国土交通省・経済産業省・民間団体などで構成された官民合同会議が設定した「防犯性能の高い建物部品」の試験基準をクリアした商品であることを示すマークです。

犯罪者が侵入を諦めるといわれる5分を基準とし、この時間を攻撃に耐えることができる製品にのみこのマークの使用が許可されています。

犯罪者は突破困難な窓を嫌いますので、CPマーク付きの窓は防犯アピールとしての効果が期待できるのです。

そのため、もし防犯ガラスの導入をお考えであれば、「CPマーク」のシールが貼られているものを選ぶことを強くおすすめします。

防犯ガラスは防犯以外のメリットも多い

通常のフロートガラスが使われている窓を防犯ガラスに交換することで、多くの副次的効果を得ることもできます。

合わせガラスの構造はガラスが割れても破片が飛散しにくく衝撃を受けてもガラスが脱落しにくいので、地震や台風など災害時に破片で怪我をするリスクを大幅に下げることができます。

UV(紫外線)カット率は99.9%と高く、白内障や皮膚がんのリスクを下げる、シミ・シワ・たるみなどの原因となる光老化を予防する、畳や家具の日焼けによる色褪せを防止するなどの効果があるのです。

ガラスに防犯フィルムを貼る

防犯フィルムは既存の窓に粘着性が強く頑丈なフィルムを貼ることで、窓が破りにくくなります。

防犯ガラスに比べると費用が安くお手軽に窓の防犯機能を上げることができますが、フィルムとガラスの間にゴミや空気が入ると強度が大きく落ちるため、施工者の技術レベルが問われます。

また、耐用年数20年の防犯ガラスより経年劣化が早く、10年程度で貼り換えが必要となります。

防犯性の高い鍵や補助錠を窓に取り付ける

補助錠は後付けできる錠前のことです。

窓の鍵はクレセント錠のみなので、一か所ガラスを割ってしまえば鍵を開けるのは簡単です。

補助錠が付いていると、窓の鍵をあけるのにガラスを何か所も破壊しなければならず突破に時間がかかります。

空き巣や泥棒は家屋への浸入に時間がかかることを嫌がりますので、抑止効果が期待できます。

窓まわりに防犯カメラを設置する

防犯カメラは窃盗犯に対して威嚇・けん制の効果が期待できます。

人通りが少ない道路に面した窓や外部から死角になっている場所はもちろん、玄関など目立つ位置に防犯カメラを設置しておくことでも犯罪の抑止効果が得られるでしょう。

ただし、プロの泥棒はカメラの種類や撮影角度なども見分けます。

適切な種類が正しい位置にセットされていなければ防犯効果が得られませんので、窓に防犯カメラを設置する際は防犯設備士が在籍している専門業者に依頼することをおすすめします。

おすすめの窓の防犯・空き巣対策について

ここでは窓の防犯について、普段から気を付けるべきことと、お住まいの状況別に分けて詳しく説明します。

窓の防犯で普段から気を付けるべきこと

窓を開けっぱなしにしない

「居空き」という言葉をご存知でしょうか?

居空きは家の中に住人が居るにも関わらず、犯罪者に侵入されて金品を盗まれることです。

また犯行中の泥棒と遭遇する可能性が高く、遭遇した際には強盗や殺人に発展する事もあり大変危険です。

犯罪者は狙った家に何度も下見に来ていることが多く、住人の行動パターンを把握したうえで隙を見て侵入します。

短時間だから・・・と、窓を開けっぱなしにしたまま別の部屋の掃除をしたり入浴したりする、つい夏場に夜風にあたりながら寝てしまうなどの習慣がある場合は非常に危険です。

また、近年ではテレワークやゲームなどでヘッドホン・イヤホンを使う方も多く、外部の音が聞こえない状況で窓を割られて犯罪被害に遭ったというケースもあります。

足場になるような物を外に置かない

窓を侵入経路とする犯罪者は、1階だけでなく2階や3階、場合によっては中高層階も狙います。

空き巣は身軽で身体能力が高い者も少なくはなく、例え1階部分の窓にきちんと防犯対策を施していても、上の階の窓が開いていればちょっとした足場を利用して簡単に室内に侵入します。

また、マンションやアパートなど集合住宅で外壁工事が行われる際には足場が組まれるため、誰でも簡単に中高層階まで上ることができるようになります。

外壁塗装工事などの最中には空き巣被害が起きやすくなるので、普段より注意が必要です。

戸建て(一軒家)で窓や窓まわりの防犯を行うなら

戸建ては集合住宅と比較して、空き巣や強盗などの犯罪被害に遭う確率が高いです。

基本的には上でご紹介した防犯ガラスや防犯フィルムの導入、補助錠や防犯カメラの設置が窓の防犯におすすめです。

マンションやアパートなど賃貸住宅で窓の防犯性能を上げるなら

分譲マンションの1~3階にお住まいであれば、基本的に戸建て住宅と同じ対策方法が有効です。

賃貸であれば窓ガラスの交換や防犯フィルムの貼り付けは自由にできないため、ネジ不要タイプの防犯カメラの設置や補助錠の取り付けなどがおすすめです。

特に補助錠は工具が不要で穴を開けなくても取り付けることができるタイプが市販でも売られているため、手軽に設置できるかと思います。

高層階でも窓の防犯は必要?

犯罪件数は1階部分と比べて少ないものの、高層階でもベランダの窓を破壊して空き巣・窃盗が行われたというケースもあります。

近くに別のマンションやビルなど足場として利用しやすい建物がある場合は、高層マンションであっても窓ガラスの防犯は必要かと思います。

基本的に高層マンションの上層部だと風圧に耐えることができるように合わせガラスなど強度が高く割れにくいガラスが使用されていますので、突破は難しくなっていますが、不安な場合は補助錠の取り付けや防犯フィルムの貼り付けなども視野に入れるとよいでしょう。

新築で窓の防犯を考えるなら

設計前で窓の位置や大きさを自由に決めることができるのであれば、人通りや交通量が少ない道路に面している壁に設置する窓はなるべく少なくすることで、窓を侵入経路とした犯罪の予防効果が期待できます。

窓は日光の取入れや換気の面から設置が必要と定められており、犯罪被害に遭うことが怖いからと極端に窓を減らしてしまうと光が入らず開放感が下がり住みにくくなってしまいます。

窓の位置は建物が完成してからだと変更がきかないため、プロの設計士ときちんと相談しましょう。

実は意味がない?効果が得られない窓の防犯対策

網入りガラス

ガラスの中にワイヤーが入っている網入りガラスは、火災時に燃え広がりを防止する目的で作られています。

強度はフロートガラスと変わらず、ワイヤーはニッパーやハサミなどで簡単に切ることができるため、防犯性は期待できません。

複層ガラス(ペアガラス)

ガラスが2枚1組になっている複層ガラスは、断熱性・遮熱性の向上、結露防止などの効果があります。

基本の複層ガラスにはフロートガラスが使用されますが、フロートガラスは簡単に割ることができるため、通常の複層ガラスには防犯性がほとんどないのです。

複層ガラスに防犯性能を持たせたい場合は、防犯合わせガラスを取り入れた複層ガラスを選定するか、防犯フィルムの貼り付けなどをご検討ください。

強化ガラス

強化ガラスは一般的なフロートガラスに比べて約5倍の強度を持ち、安全ガラスとも呼ばれています。

名前から防犯に良さそうと思われることが多いのですが、実は防犯性能はほとんどありません。

強化ガラスは1点に集中した攻撃に弱く、破壊自体は簡単なのです。

割れると破片が細かく粒のような形で散らばる性質を持っているため、ガラスの破損時に周辺の人が怪我を防止する効果があります。

そのため、店舗のディスプレイや棚板、テーブルトップ(ガラス天板)などに使用されていることが多いです。

面格子

全ての面格子の防犯能力が低いわけではありませんが、種類によっては防犯性がほとんど期待できない場合があるのです。

面格子があると一見防犯性が高そうに見えますが、取り付けが単純なビス止めの面格子は簡単に取り外すことができます。

また、アルミ素材の面格子は強度が低く、強い攻撃を受けるとすぐに破壊されてしまいます。

窓の防犯を意識して面格子を設置するのであれば、室外側からの取り外しが困難な種類で、強度の高い鉄製またはステンレス製がおすすめです。

ガラスの交換ならガラス屋ミーアへ

窓の防犯対策や泥棒の侵入手口等についてご紹介しました。

空き巣等、泥棒の被害に遭う前にしっかりと窓の防犯対策をしておく事が大切です。

防犯ガラスに交換や内窓の取り付け等、窓の防犯をお考えの際は、年中無休・お見積もり無料のガラス屋ミーアまでお気軽にお問い合わせください。

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